フィヨルド創業者に聞く、体験が競争軸になる時代にデザインにできること

公開日:2020年1月28日

  • オロフ・シューバースン氏(フィヨルド東京)

体験のデリバリーまで見据えたビジネスデザイン

2019年11月11日、アクセンチュア インタラクティブは「Fjord Tokyo(フィヨルド東京)」を開設した。フィヨルドは2001年に英・ロンドンで創業されたデザインスタジオで、2013年にアクセンチュア インタラクティブのグループに入っている。創業の地であるロンドンを皮切りに現在は、世界33の地域にスタジオを構え、1200名以上のデザイナーを擁する。

フィヨルドにとってフィヨルド東京は、日本国内初の拠点だ。日本でのスタジオ開設に際して来日した、フィヨルド共同創業者兼代表のオロフ・シューバースン氏に話を聞いた。

──フィヨルドは、デザインスタジオとしてどのような価値を提供しているのでしょうか。

フィヨルドが提供する価値とは、デザインの力を用いて業界構造を再定義すること。具体的には①「Brand & Experience Strategy」②「Design & Creation」③「Brand Experience Delivery」の3つのプロセスを通じて、企業におけるイノベーションの実現を支援している。

①「Brand & Experience Strategy」とは企業体質を変える戦略立案の支援で、企業が部門を超えて目指すべき"北極星"を見つけ出すことを示している。ブランドの本質的価値や社会における存在意義を紐解き、さらに生活者視点と掛け合わせ、事業・サービス・製品・組織のピボットを図っていく。

①が定まったら、②「Design & Creation」、つまりはサービス・製品のデザインに取り掛かる。ここで重要なのは、機能をつくるのではなく、生活者にとって魅力的な体験をつくり出すことにある。

最後のステップが、③「Brand Experience Delivery」。ここではデジタル・フィジカルを横断した製品・サービスを具現化することで、ブランド価値に基づいたコミュニケーションを展開し、実際に一連の体験を生活者に届けるまでを支援する。ここでは、①で定めたブランドのコアが生活者とのすべての接点で一貫して体現されているかが重要になる …

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