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今日的な課題を読み解く ブランド戦略の論点

マーケターはブランディングのKPI、KGIにどう向き合うべきか?

  • 井上大輔氏(OFFICE pianonoki)

ブランド価値を可視化する取り組みは、これまで多くの研究者・実務家が取り組んできたテーマだ。しかし、いまだその明確な測定方法は提示されていない。投資対効果が分からない中で、マーケターは何を目標にブランディング活動を行えばよいのか。マーケターの井上氏が自身の考えを解説する。

    POINT

    POINT 1 ブランドを資産とすると、効果測定は極論はできない。

    POINT 2 費用対効果が見えなくとも、投資する勇気が必要。

    POINT 3 細かすぎるKPI設定は、逆効果に働くこともある。

ブランドを資産とする考え方では効果測定は「できない」

ブランドという言葉は、デイヴィッド・オグルヴィの時代、アメリカのドラマ「マッドマン」の時代のさらに10年前にはすでに広告の世界で使われていました。日本でいうと昭和の20年代です。つまりその歴史はすでに70年にも及ぶわけですが、平成も終わろうというこのご時世に、未だにKGI・KPIは何か?という議論がなされていることは大変興味深いです。

ブランディングの概念は、1990年代に大きな転機を迎えました。ブランディング中興の祖とも言えるもうひとりのデイヴィッド、デイヴィッド・アーカーが、ブランドは資産である、ということを主張したのです。また彼は、ブランドを単体ではなくポートフォリオで管理することの重要性を訴えました。現代のブランディングはここを出発地点としています。

ブランドが資産であることはわかったとして、その資産価値をどのように算定するか、ということについて、アーカーは2014年の近著『ブランド論』で、次のような方法をあげています。まずは会社の持つ無形資産の金額を明らかにし、そのうちの何%がブランドによるものかを関係者で集まって話し合い推定する、というやり方です。

要するに、ブランドの資産としての価値は、具体的な施策のKGI・KPIといったクリスピーな形では、未だ算定ができないということです。このことはマーケティング関係のカンファレンスなどでも、あまり表立って議論されていないように思われます。ブランディングの効果測定は、ブランドを資産とする考え方においては、極論すると「できない」のです …

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今日的な課題を読み解く ブランド戦略の論点

多くの商材でコモディティ化が進む現代、ブランド確立の重要性はあらゆる業態の企業に広まっています。しかし、ブランド確立のアプローチや、ブランド価値の測定など、その手段、手法、概念は時代と共に進化、あるいは変遷しています。2019年の現在における、ブランド戦略の論点とはどこにあるのでしょうか。最前線の実務家・研究者の皆さんと、今日的「ブランド戦略の論点」を考えます。