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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

アウトプットが話題になる!「クリエイティブPR」で考えるオリエン術

  • 神谷 準一氏(神谷製作所 代表取締役)

今月のテーマ:オリエンの極意

さまざまな手法が登場し、コミュニケーション設計が多様化するなか、宣伝担当者にとって明確にクリエイティブ・ディレクションすることがますます難しくなっています。加えて広告・宣伝の投資対効果が追求される中で施策効果を最大化するためには、いかに制作会社・クリエイターへ高精度なインプットができるか、つまり「オリエン」がカギとなります。今回はオリエン成功のためのテクニックから、オリエン実施経験のない中小企業にも役立つノウハウまで解説します。

    オリエンでは、3つの"セイ"がポイント!

  • What to say(商品の何を言うか?)
  • How to say(どう言って目立たせるか?)
  • ニュース性(メディアや生活者が自発的に書きたくなる要素があるか?)

多様なクリエイターが存在する今の時代のオリエン術とは?

「せっかく良い広告クリエイティブをつくったのに、世の中に広まらなかった…」「いざPRをするとなったら、PR会社が出てきて、文脈をグチャグチャにされ、よくわからないまま終わった…」こんな経験はありませんか?

私が推奨する「クリエイティブPR」とは、企画の最初の段階からメディアやSNSに取り上げられやすい文脈をつくり、そこにクリエイティブの力を掛け合わせることで相乗効果を生み出す手法のこと。つまり一言で言えば、「PR視点で企画し、話題になる広告」をつくる、それがクリエイティブPRです。さまざまなクリエイターにオリエンをし、企画のクオリティを保つためにはクリエイティブPRの思考フレームが役に立ちます。

2016年、私は博報堂から独立し、「クリエイティブPR」を標榜する、神谷製作所を立ち上げました。私の経歴を紹介すると、2004年に博報堂入社後、広告ではなく、企業のPR活動を最適化するPR戦略局という部署で5年を過ごし、その後7年間を博報堂ケトルで、テレビCM・ポスター・イベント・Web制作・店舗デザインなどさまざまな領域でクリエイティブディレクターを務めました。

こうしたキャリアを通じて得られた知見と、PRと広告クリエイティブに関わるクリエイターたちと仕事をし、彼らのアウトプットを統合的にまとめてきた経験をもとに、オリエンについて解説します。

広告クリエイティブには2つの"セイ"が必要

CMやグラフィックなどの広告クリエイティブは、「What to say=商品やブランドの何を言うか?」と「How to say=どういう興味を引く表現で言うか?」を研ぎ澄ませることで成り立っています。特に発注者側で気を付けるべきことは「What to say」が競合商品に負けていたり、なんの特徴もないようなメッセージにならないように自社内でファクトの掘り起こしを行い、クリエイターに伝えることです。

「How to say」はクリエイターと呼ばれる人たちには大体このスキルは充分に備わっているので、トンマナを伝えるぐらいでクリエイティブジャンプは任せましょう。

3つ目の"セイ"、ニュース性が広告クリエイティブをブーストする

PRとは、新聞・雑誌・テレビ番組・Webニュース・オピニオン・インスタグラマーなど第三者視点から商品やサービスの情報を拡散することです。広告よりも信頼性が高く、情報量を多くターゲットに認知させられることが強みです。

広告よりも強力な手法ですが、企業の商品情報に、メディアが記事や番組として無料で取り上げるに値するような「ニュース性」が求められます。ニュース性というのは、自分が報道番組のキャスターになった時に第一声で伝えたい「ニュー」なことです。

例えば「本日、アップル社から新型iPhoneが発売され銀座では3日前から徹夜の行列が続いています」とか、「連日の猛暑により、家電量販店では昨年の2倍以上のエアコン売上を記録しています」など企業発の「ニュー」な情報に、報道に値する時事性、フォトジェニックな光景、客観的に伝えられる数値など報道に値する要素が掛け合わされたものが「ニュース性のあるネタ」になります。

この「ニュース性」の視点がいわゆる一般のクリエイターと呼ばれる人々には欠けている要素ですので、オリエン時に意識して「ニュース性」の要素を盛り込むようにしましょう。参考までに「ニュース性」にどのような要素があるのか、図1をご覧ください。この要素を見つけ出すためにはPR会社のプランナーやメディアに最初に意見を聞いてもいいと思います。

図1 基本的な10のニュース性

3つの"セイ"を考えるクリエイティブPRの思考法

改めて整理すると、広告の強みとPRの強みを発揮する要素は、3つの"セイ"で整理できます。ひとつは「What to say(セイ)=企業やブランドの何を言うか?」。競合より優れた商品スペックを提示し、ブランドメッセージをユニークなものにします。ここが弱い場合は社内でファクトの掘り起こしや、メッセージ変更が必要です。

2つ目は「How to say(セイ)=どういう言い方で消費者の興味を引くか?」。多くのクリエイターはここが得意です。目指すべきトンマナを示しつつ、トンマナが合わなければバリエーションを出してもらいましょう …

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テレビCMからソーシャルメディアの投稿まで、消費者との接点が格段に増えたことで、おのずと広告・コンテンツ制作が必要とされる場面も、そのバラエティが広がっています。担当者自らに制作スキルが求められるもの、外部のパートナーのディレクション力が求められるものがありますが、本特集では双方を織り交ぜながら、特にアウトプットの完成度を高める実践的ノウハウ・考え方を解説していきます。