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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

レトルトカレーを日本に普及。50周年の「ボンカレー」のブランド戦略

(左)1968 (右)2018

日本人の国民食と言えるほど、家庭やレストランで食べられているカレーライス。その普及に一役買ったのが、レトルトのカレーだ。1968年、大塚食品は世界初となる市販用のレトルト食品として「ボンカレー」を発売。2018年2月12日で、50周年を迎えた。

商品開発のきっかけは、大塚ホールディングス前会長の故・大塚明彦氏が、真空パックで保存性を高めたソーセージについて書かれた記事を読み、グループ会社が持つ医療用の点滴液の技術をカレーに応用できるのではないかと考えたことだ。

同社 広報室 室長の堀内一彦氏は、「お母さんの手づくりのカレーをコンセプトに、4年の開発期間を経て誕生しました。当時は主婦が働きはじめ、家庭内での『個食』が進み始めた時期。一人前入りで、お湯で温めるだけで誰がつくっても、失敗しないカレーとして開発したのです」と話す。

しかし当初、阪神地区限定で発売したものの、なかなか売れずに苦戦した。世界で初めてのレトルト食品。消費者は「カレーのルーが入っているだけで、手間のかかる調理が必要ではないか」「長期に保存ができるのは防腐剤が入っているからではないか」など誤解したという。

1年後には、アルミ箔を使用したパウチに変えて、さらに保存期間を延ばして全国発売。同社の営業担当者が小売・流通向けの実演販売を重ね、店舗にホーロー看板を設置するなどして、商品への理解を広げていった。1972年には、当時人気のテレビドラマ「子連れ狼」のパロディCMを展開し、一気に話題化に成功。苦労の結果、発売から5年後の1973年に年間1億食を超える規模にまで成長させた。

1978年に、上位ブランドとして「ボンカレーゴールド」を発売。2003年以降は、沖縄を除く全国でブランドを「ボンカレーゴールド」に統一した。2013年には、火を使わず安全で手軽に、電子レンジで調理できるよう改良。

堀内氏は、「当社グループには、ベストセラーよりもロングセラーをつくろうというDNAが根付いています。商品を市場に定着させるため、リーズナブルな価格を維持しながら、常に味や商品形状など技術革新させてきたことが、長く消費者から愛されてきた理由です」と振り返る。

2016年、カレー市場で初めてレトルトが固形ルーの売上規模を越えた。「ボンカレー」はさらなる市場拡大に向けて2018年3月、共働き世代に向けた新シリーズを投入。全世代で食べてもらえるよう取り組んでいく考えだ …

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