
(左)1952(右)2017
女性に寄り添い65周年、訴求点や形状を変更
エーザイの創業者である内藤豊次氏が、チョコレート味のコーラ飲料用として商標登録していたのが「チョコラ」というネーミング。親しみやすい名称だったため、1952年に発売したビタミン剤に使用したのが「チョコラBB」の始まりだ。当時は戦後まもない時期、栄養不足からくる女性の肌荒れや眼の疲れなどの解消に役立つ点を訴求して販売していた。その後、口内炎などの症状の改善にも役立つことを打ち出していく。
転機になったのは1988年、ビタミン承認基準の改正もあってビタミンB2が「肌あれ」に効くというメッセージを明確に打ち出せるようになったのだ。同社 コンシューマーhhc事業部 チョコラBB本部長の岡本健彦氏は、「1970年代からファストフードが流行し、日本人の食生活が脂肪分の多いものへと変化していきました。それにつれて、肌荒れに悩む女性が増え、ビタミンB2への期待が高まったという時代背景があるのです」と話す。
さらに、「チョコラBB」にはもうひとつの転機があった。それは販路の変化だ。当初、「チョコラBB」を主に販売していたのは個人経営の薬局・薬店だったが、新たな販路としてドラッグストアが台頭し始めた。また、消費者の身近な店舗としてコンビニエンスストアも急増していく。
チャネルの変化に合わせて販路を拡大していくため、1990年に「チョコラBB」のドリンクタイプを発売した。その後、医薬部外品などのドリンクをコンビニエンスストアが取り扱うようになり、現在ではコラーゲンやセラミド、ナイアシンを含んだものなど、「チョコラBB」ドリンクタイプは10種類を超えている。
65年にもわたって、「チョコラBB」が消費者から支持されてきた要因はどこにあるのか。岡本氏は、「発売当初から掲げてきた、"キレイと元気を応援する"というメッセージがぶれずに、消費者から違和感なく受け止められてきたからではないでしょうか」と振り返る。ブランドの核となるコンセプトはぶらさず、時代の変化に合わせて、訴求点や形状などを少しずつ変化させてきたのだ。
現在では女性の外見のみならず、内面もサポートしていくブランドになるための取り組みを強化している。65周年記念ムービー「♯キラキラした私」篇では、Instagramの人気投稿と、その写真を撮影する姿を描いて、女性に寄り添った「チョコラBB」ブランドとしてのメッセージを伝えている。
視点01 商品
錠剤に加えてドリンクタイプも発売
ビタミンB2の欠乏による皮膚炎を改善するために誕生した「チョコラBB」。当初は、女性向けに身体のだるさや吹き出ものなどの改善を打ち出していた。その後、「肌訴求」で、女性の支持を獲得していく。
1990年代から2000年代にかけては、消費者ニーズや販売チャネルに合わせた展開を進め、錠剤タイプでは子ども向けや肌荒れ、シミ・ソバカスなど、ターゲットや症状ごとに特化した製品を展開している ...