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IoTとマーケティング

テクノロジーが、住まいを「供給される」ものから「カスタマイズする」ものへ変える

  • 久松洋祐(LIFULL)

(C)123RF

「職住一致」と言われるように、これまでの住宅は職場を中心として買ったり借りたりするのが普通でした。しかし今後、その価値観が変わってくるのではと予測しています。

例えば、通信環境。現在は4Gが主流ですが、2020年には5Gが実用化されるとも言われています。これによって、ホログラム通信や遠隔医療の受診が可能になり、「職場や医療機関の近くに住む」という制約から解放されるかもしれません。また、ディスプレイも急速に進化しています。現在は液晶が中心ですが、薄く軽量で柔軟に曲げることもできる有機ELのような素材のディスプレイを安価に購入できる日は、そう遠くはないと考えられます。

通信速度が格段に上がり、フレキシブルなディスプレイが手に入れば、VR/ARを上手く活用することで、「どこにいても働ける」環境がつくれるのではないかと思うのです。

「どこにいても働ける」ようになると、それに伴って、住宅に求められるものも変わってくるのではないでしょうか。通勤の利便性を考えて会社の近くに住む必要がなくなる。また室内について言えば、あらゆる端末を一元管理し、空調や照明、その他電気機器を自動でコントロールしてくれるAIロボットが一家に一台、生活必需品として置かれる未来は、現実的なものとなってきています。

昨年12月、アスタミューゼが発表した調査結果によると、住宅系IoTベンチャーの設立件数は2006~2010年で約50社、2011~2015年で約125社と250%伸長したそうです。医療・ヘルスケア領域に次ぐ数のベンチャー企業が、住宅関連領域で立ち上げられています。

こうした企業が開発するシステムやアプリケーションが、人々の生活をより便利にしてくれるのではと期待しています。住宅メーカー各社も、IoTサービスを展開したり、あるいは研究開発を進めており、室内環境の維持や事故防止、防犯などを目的としたプロダクトやサービスが、徐々に登場してきています。

テクノロジーの進化は、これまで当たり前とされてきた住宅・室内空間のつくり方にも変化をもたらす可能性があります。これはあくまで一例ですが、有機ELを使ったペンダブルなディスプレイが安価につくれるようになれば、天井や壁一面をディスプレイにしてしまうことも可能になり、そこでは、従来の住宅には必要不可欠だった「照明」が不要になるかもしれません。

「どこにでも住める」を実現するオフグリッド化とIoT

LIFULLでは、この春から「LIVING ANYWHERE」という暮らし方を提唱したいと考えています。「どこにでも住める」環境を整備し、「生きる場所の自由」を真に実現することを目指すものです。

現状、ほとんどの住宅・建物は「グリッド」(≒インフラ)の上につながれ、建っています。水、電気、ガス、通信……さまざまなインフラにつながることができる場所でないと、建物を建てて住むことはできません ...

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