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成熟社会のエンゲージメントマーケティング

LTV向上に生かせるテクノロジー&データ活用の最前線

  • 小林大介(電通デジタル)

顧客のエンゲージメントを深める上では、一人ひとりのお客さまに寄り添ったパーソナルな対応が必要。そこでは、テクノロジーやデータの活用が不可欠です。一人ひとりのお客さまとの心のつながりを深め、LTV向上につなげていくための、テクノロジー&データ活用の最前線を紹介します。

「既存顧客を大切にし、LTVを最大化する」ことが重視される背景には、本格化する国内人口減少・市場縮小に加えて、スマートフォンやIoTなど「顧客とつながる技術の進化」がある。この技術進化を顧客戦略進化に直結させられるか否かが、自社の顧客基盤を維持できるか、ひいては市場ポジションを維持できるかを決すると言っても過言ではない状況となっている。では、「LTV向上ためのテクノロジー/データ活用」のポイントは何か。ここでは3つの重要な視点を挙げたい。

LTV向上につながる顧客体験革新のドライバー

1.データの「統合化」と「拡張」

これまでのデータ活用は、ざっくりまとめると下記の3つに分断されていた。
・「実名の自社データ、例えば購買履歴データ」を「顧客育成」に使う
・「匿名の自社データ、例えばサイト閲覧履歴」を「顧客獲得」に使う
・「匿名の外部データ、例えばパブリックDMPデータ」を「見込み客への接触」に使う

現在進んでいるのは「これらのデータが顧客単位で統合され、それがマーケティングプロセスの各フェーズにおいて縦横無尽に活用されるようになりつつある」という変化だ。

例えば生命保険会社の「顧客育成」フェーズにおいては、既契約者のうち「SNSで家族構成の変化に言及している人」に対して「契約見直し」をディスプレイ広告で訴求し、その反応としてのサイト閲覧行動に基づいてコールセンターから人的アプローチを行う、といった施策が実現可能となっている。

さらに、統合対象となるデータの「拡張」も進んでいる。外部データの拡張としては、Googleの技術による「ターゲット顧客のリアル店舗来訪の計測」、インターネット接続されたテレビ端末による「テレビ所有者の番組視聴やCM接触の把握」などが挙げられる。

いずれもまだ人口カバー率が不十分だが、将来的には大きな活用ポテンシャルを持つ。自社データの拡張の筆頭は何と言っても製品のIoTデータである。現時点での著名な活用ケースはGEやコマツなどBtoB製造業が中心だが、BtoCにおいても自動車や家電などの耐久消費財を皮切りに顧客サービスへの活用が本格化しつつある。

2.AIによる「体験の自動最適化」

統合・拡張されるデータをどう活かすかという「インテリジェンス」においても革新的変化が進んでいる。マーケティングインテリジェンスの進化は以下の3ステージに整理できる。
【ステージ1】「可視化」(BIの世界):見える化して、人が考える
【ステージ2】「施策のルーチン化」(MAの世界):人が考えたことを自動的に実行する
【ステージ3】「体験の自動最適化」(AIの世界):ソフトウェアが考えて最適化する

日本の「MA(Marketing Automation)活用」の本格化は2014年だが ...

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成熟社会のエンゲージメントマーケティング

経済環境を反映し、日本の企業はマス広告を投下してリーチと認知を獲得し、新規顧客を開拓し続けることを重視するきらいがありました。
しかし市場の成熟化が顕著になった今、LTVという概念が注目されるなど、既存顧客との関係性を重視する傾向が強まっています。加えてコモディティ化が進む環境下、「機能」ではない差別化軸を探す必要に迫られていることからも、消費者との間のエンゲージメントづくりに対して関心が高まっています。
定量化しづらい価値であることから取り組みが難しい面もある、エンゲージメントを重視したマーケティング活動。これから多くの日本企業が取り組んでいかざるを得ないテーマの、最前線の取り組みや概念を紹介します。