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2017年の広告界予測

本当の意味での原点回帰が起こらないと、そろそろマズイ。―有識者に聞く2017年は、ここに注目!

    2017年に注目すべきものとは「経営とマーケティング」「クリエイティブ」「メディア」の3つのテーマで、各分野の有識者が予測する。

経営とマーケティング02

広告・マーケティングと現場オペレーションはより一体になっていく

LINE 
上級執行役員 コーポレートビジネス担当
田端信太郎氏

この原稿を書いている2016年11月現在、App Storeでの有料アプリランキング1位を続けているのは、広告ブロック・アプリである。

これまで「広告ブロッキング」の話はアメリカの広告業界等では、話題になるが、日本では正直、「対岸の火事」だった。しかし、2017年において、筆者は予言するが、「広告ブロック」が日本においてもより普及することは間違いない。これまで広告ブロックと言えば、HDDレコーダーでのCM飛ばしなど、テレビにおけるだけの問題ではあったが、今後は、広くネット広告も巻き込んで議論となるだろう。

さて、そのような「広告ブロック」が一般化していく状況で企業はどのように、マーケティングや広告宣伝を展開していくべきであろうか。筆者はこれまでのように、広告宣伝やマーケティングと、現場での商品サービスの提供そのものが分離したプロセスとして存在するのでなく、より一体化していく方向が不可避だと考える。

大手飲料メーカーA社の広告には、興味がないからブロックするという消費者と大手飲料メーカーA社の商品は、口に合わないから絶対に買わないという消費者、どちらが多いだろうか。おそらく前者であろう。いまや広告は、広告であるというだけで、お金を払って商品を買う行為以上に嫌われかねないのだ。

筆者が法人ビジネス担当役員を務めるLINEでも、250社以上のさまざまな企業がこれまでの企業におけるマーケティングや広告宣伝をLINE公式アカウント上で行っている。LINEは元々、一般ユーザー同士のメッセージアプリであるため、企業からの広告的なメッセージといえども簡単にブロックすることができる。そんな状況においても、ほとんどの友だちユーザーがブロックをしていない企業公式アカウントといえば、ヤマト運輸(クロネコヤマト)のLINE公式アカウントである。

その秘密は、クロネコヤマトからの配達日時通知、不在通知、再配達依頼がLINE公式アカウントから連絡可能だからだ。つまりクロネコヤマトにとって、LINE公式アカウントは、単なる広告宣伝やマーケティングではなく、荷物を最終消費者に届け、受け取ってもらうという、運送業としての本業そのものと密接に関わっている。

いまや、本業そのものがデジタルを通じたコミュニケーションと一体になっていかねば …

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2017年の広告界予測

「バズワード」と言われる流行りも多い広告界。 それだけに目先の現象に追われがちです。 しかし現象の根底には、本質的な変化やイノベーションが潜んでいます。 本年度ではマーケティング、メディア、クリエイティブ、テクノロジーの 4つのカテゴリから2016年を総決算。 さらに2017年を予見する中で、さまざまな現象を取り上げながら、 その背後にある広告・マーケティング界の潮流を読み解きます。