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失敗しない!「コンテンツマーケティング」

土屋鞄の、「ファンをつくる」コンテンツの裏側

Facebookで29万近くの「いいね」を集める革製品ブランド「土屋鞄製造所」。商品自体の訴求をするのではなく「スタッフの日常を伝える」発信、そのコンテンツの裏側に迫る。

「すぐ買ってもらう」のではなく「関係性を築く」コンテンツづくり

ランドセル工房として1965年に創業し、上質な革と飽きないデザイン、手仕事を感じる温かさと使い心地で人気を集める革製品ブランド「土屋鞄製造所」。創業から50年以上経つが、現在でもお客さまへ直接製品を販売することを大切に、全国21店舗の直営店とオンラインショップを通じて販売している。

同社が顧客とのコミュニケーション手法として、2011年頃から使っているのがFacebook。質の高い写真によるオリジナリティある雰囲気のコンテンツに定評があり、今では29万近くの「いいね」を記録している。ファン数に対して「いいね」数が多いことから、深い関係を築いていることがわかる。Instagramも、今ほど普及する前、2012年にスタートさせており、SNS活用に対する積極性がうかがえる。

そのコンテンツはというと、Facebook・Instagramともに、一見すると商品に紐づかない内容が多数みられるのが特徴だ。一体どのようにしてSNSを活用し、ファンを増やしているのか。Facebook・Instagramともに、活用開始のタイミングからディレクション・運用を担当している、土屋鞄製造所 販促部の根岸未知氏に聞いた。

「Facebookで定期的に情報発信をしている目的は、土屋鞄に興味を持ってくださっている方たちとのコミュニケーションです」と根岸氏。週に2~4回、定期的にFacebook上で記事を投稿する。身近な出来事や、旅行に行ったときの風景写真など、商品が写り込んですらいないものが多い。

「『お知らせ』を言い続ける人間っていないですよね。Facebookは、友人の近況や、思ったことがシェアされていく場。だから、『お知らせ』だけ投稿していては、SNSのフィード上で浮いてしまう。人間味のあるコミュニケーションをしないと、『つながり』ができないんです」(根岸氏)。Facebook上では「土屋鞄」ブランドの、キャラクター構築を行っているという。

丁寧にブランドのキャラクターをつくり伝える背景には、扱う商材の特徴がある。「土屋鞄の製品は、極力シンプルなデザインで、長くご使用いただくことを願ってつくられています。お買い求めになるお客さまも、購入までにじっくり時間をかけて検討される方が多いので、コンテンツはその『検討』や『使用イメージの醸成』に寄り添う存在なのかな、と思います」(根岸氏)。使い込んだ鞄の写真や、お手入れ法などのコンテンツの人気が高いのもうなずける。

「寄り添うコミュニケーション」の工夫は他にもある。自社サイトの中で ...

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失敗しない!「コンテンツマーケティング」

情報量が爆発的に増え、かつ広告をシャットダウンするリテラシーも向上した消費者に、一方的な企業都合のメッセージ、広告が格段に届きづらくなっている現在。企業が言いたいことを、消費者の知りたいことに転換して、役に立つ、面白いコンテンツの形で商品・サービスの魅力を伝えるコンテンツマーケティングは、こうした課題を解決する手段として注目され、取り組みを進める企業も増えてきました。

しかし、広告ではなく「コンテンツの企画・制作・ディレクション」、さらに広告ではなく「コンテンツ」をリーチさせるための配信方法と、従来の広告の延長では実現しえないスキルが必要となります。

特集では、商品・サービスと消費者(商品に確実に興味を持つであろう人以外)の接点をつくるためのコンテンツの企画・制作から、その配信方法まで企業のケースを基に、解説していきます。