冬でも温暖な気候を利用した温州みかんの栽培が盛んで、山口県内の同品種の全生産量の8割を占める、周防大島。隣接する、みかんの産地、愛媛県に負けないブランド力をつくろうと、「みかん鍋」という新たなレシピを軸にしたプロモーションを行っている。


みかん鍋は、周防大島観光協会と島内の飲食店・宿泊施設のメンバーで構成される「周防大島鍋奉行会」によって、
(1)体に優しい橘皮が香る「鍋奉行御用達」の焼きみかん、
(2)爽やかな柑橘の香りを練り込んだ地魚のつみれ、
(3)薬味としてピリリと辛いみかん胡椒、
(4)鍋の最後のふわふわメレンゲによる淡雪みかん雑炊
の4つの要素で定義づけられている。
アイコニックな名物料理でマイナー産地からの脱却図る
山口県の南東、瀬戸内海に浮かぶ、周防大島。温暖な気候は、みかん栽培に最適で、味が濃く、糖度と酸度のバランスが良いみかんが採れる。地理的には愛媛県の有名なみかん産地と隣接する周防大島。しかしながら、山口県はみかん産地としてはマイナーと言わざるを得ない。
「この忸怩たる思いを打開するべく、みかん産地としての圧倒的なアイコンの必要性を感じました」と話すのは、周防大島観光協会 事務局長・理事の江良正和氏。そうして生まれたのが、この地の“ご当地鍋”。島で採れたみかんをふんだんに使った「周防大島みかん鍋」だ。
誕生のきっかけは ...