成功した商品・ブランドを見ていると、核に強いコンセプトがあり、それを起点に戦略を立て、あらゆる施策を展開することができているケースが多いことに気づきます。ブランドを導いた秀逸なコンセプトの事例を紹介します。
ポルシェ

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1990年初頭、業績低迷に苦しんでいたポルシェを蘇らせたのが、コンセプト「壊れないプレステージ・スポーツカー」でした。僕の記憶では、ポルシェは壊れやすい、デリケートなクルマでした。そんなポルシェが、「壊れない」をコンセプトに据えたことで、製造現場である工場をはじめ、あらゆる部門の人々が、「壊れない」クルマをつくるために、自分たちの部門にできることをやろうと動き始めたのです。良いコンセプトは、必ず行動を指示し、行動を喚起するものなのです。これは、僕がコンセプトの働きに気づくきっかけとなった事例でもあります。
(ココカラ 江上隆夫氏)
チュッパチャプス

ホームページを見ると「親たちと子どもたちをハッピーにする商品」とありましたが、とにかく気分を明るく楽しくしてくれます。
サルバドール・ダリが描いたお洒落なロゴマーク、次から次へと出てくるフレーバー、創造的なディスプレイ。これらが醸し出すエキセントリックな世界観は、もはやキャンディーの域を超えているのでは …