アパレルメーカーがレンタルサービスを始めた理由

公開日:2015年11月10日

モノからコトへの消費傾向が強まり、限られた所得を通信費やコンテンツ消費に費やす傾向の強い若年層。この流れにメーカーはどう向き合うべきか。彼らが日頃接するスマホやアプリをフックに、新たなサービスを始めたクロスカンパニーのケースをレポートする。

「メチャカリ」のネーミングは石川社長が考案。ゆくゆくはレンタルだけでなく、近年市場が活性化しているユーズドの事業にも拡大していく構想を抱いているという。メチャカリは「earth music&ecology」などの新作ファッションアイテムが「定額で借り放題となる」新品ファッションレンタルアプリ。一度に手元におけるレンタル点数は1回に3着まで、60日間借り続けたアイテムはプレゼントされる。

ファッション業界でトヨタ型のビジネス!?

若年層女性が1カ月にファッションアイテムに投じる金額は、2008年の1万7287円から2014年には1万718円へと激減。音楽やゲーム、アニメ、カラオケなど、モノからコトへ。若年層の限られた所得がコンテンツ消費へと流れる中、若者のファッション離れが進んでいる。

図表1 若年層の女性が1カ月間に服や靴にかけるお金

出典:総務省「家計調査年報」より

この状況を打破しようと、アパレルメーカーのクロスカンパニーは「ライフスタイル&テクノロジー」に事業領域を広げ、ITを活用したファッションビジネスのイノベーションを目指してきた。今年5月には、ネットを利用した宅配クリーニングサービスを提供するスタートアップのBASKETを買収するなど、新たな事業モデルの構築を模索している。

そんな同社が9月16日に新たなサービスをリリースした。同社のブランドの新品商品が …

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