「商学のグローバル展開」をめざした教育改革を行っている明治大学商学部。その中で2008年度から、ファッション産業人材育成機構との連携により行われているのが「ファッション・ビジネス」のプログラムだ。2011年度からは、世界各地の提携大学からファッション・ビジネスに関する教育・研究者を招いた国際シンポジウムも開催しており、本書は、2014年に開催された2回のシンポジウムのうち、第2回の講演内容を収録したものである。

海外・日本のファッション業界の最新の状況について報告・分析する本書のポイントについて、執筆者の一人であり、全体の企画・編集を担当した明治大学商学部の藤田結子准教授は、次の3つを挙げる。

1．戦略的なネット活用

ファッション・ビジネスにおいてEコマースやSNSの役割がますます重要になっている。パリやニューヨークのブランドがどのように戦略的にインターネットを利用し、小売り革命が進行しているのか、またオムニチャネル化が進んでいるのか、本書ではその最前線について報告（2章：尾原蓉子、4章：ガシュシャ・クレッツ）。

2．ブランドとメディアの関係

ファッション・ブロガーの台頭、ファッション誌の発行部数減など、ファッションを取り巻くメディア環境が大きく変化している今、広告主である …