新たな勢力の台頭などにより、コーヒーを取り巻く市場環境と競争が激化している。コモディティ化する市場において、ダイドーブレンドコーヒーは独自の戦略で立ち向かおうとしている。

(左)1975 (右)2015
地方における強さが武器
“コーヒーの御三家(他UCC、ポッカ)”の一つ、ダイドードリンコの「ダイドーブレンドコーヒー」が今年40周年を迎えた。
ダイドードリンコのルーツは1945年創業の大同薬品工業。1970年代の高度経済成長期、工事用車両のドライバーなどをターゲットに、新規事業としてダイドーブレンドコーヒーの前身「ダイドージャマイカンコーヒー」を販売したのが始まりだ。
1975年、大同薬品工業は売上が伸長していた清涼飲料販売事業を分社化して、ダイドードリンコの前身となるダイドーを設立。ダイドージャマイカンコーヒーを「ダイドーブレンドコーヒー」に改名する。ダイドーブレンドコーヒーは複数の豆をブレンドして製造するため、ジャマイカンコーヒーとは異なる味わいになった。
その後、温かい飲料と冷たい飲料を同時に販売できる自動販売機が台頭するとともに、一気に普及した。ダイドーはこの時流に乗り、流通の主軸を自販機に置く戦略で、都市部と地方を結ぶ沿道を中心に地方の市場を開拓していった。
「結果的に都市部の市場に力を入れた競合との住み分けができて、ダイドーブレンドコーヒーは40年間当社の看板商品の座を守ってこれたのだと思います」と同社 広報・IR部の正本 肇氏は話す。現在、同社は全国に約28万台の自販機を設置しており、多くの地域でコーヒー飲料のトップシェアを獲得するなど、地方における強さが大きな武器だ。
一方で、コンビニエンスストアでのカウンターコーヒーの台頭をはじめとするコーヒー市場競争の激化により、ここ数年での缶コーヒーの売上は下降している。同時に、飲料自販機の設置も熾烈な競争が起きている。そこで同社は、マーケティングを強化することなどをはじめ …