商品・サービス、コミュニケーションの起点となるコンセプトは、戦略の成否を握っていると言っても過言ではありません。ここでは、秀逸なコンセプト設定が大きな成果につながった事例を紹介します。
case.01
リクルートグループ グローバル企業コンセプト
Entrepreneurs United / 起業家の共同体

リクルートホールディングスが、2014年10月の上場の際に発表した企業文化を端的に表現したキーワード。海外の関連会社や投資家に「リクルートは何者か?」「何がユニークなのか?」を伝えるコンセプトを明文化していないことが課題だった。
議論の末、多様な事業を次々生み出す企業文化にリクルートのユニークネスの原点があるという結論に行き着く。リクルートは会社でありながら、次々とビジネスアイデアがカタチになるシリコンバレーのような場所である。そうした考えから「起業家の共同体(Entrepreneurs United)」というコンセプトが生まれた。
その言葉はリクルートが何者かを伝えるだけでなく、世界に広がっていくリクルートファミリーの今後の発展の礎になる言葉となった。
case.02
20~30代女性ターゲットのサークルレンズ
シード「アイコフレ ワンデーUV」

2012年に発売した、黒目を大きく見せるための「サークルレンズ」と呼ばれるコンタクトレンズ。働く若い女性に向けて開発された商品だ。
サークルレンズは当時注目され始めていたが、以前は大手メーカーによる安心してつけられるものがなかった。一方で、大手のものはファッション性に乏しく、20~30代女性のニーズを満たすものではないという現状に市場の「すき間」があった。そこでシードのプロジェクトチームは、大手ならではのメジャー感、安心感と、ファッション性の高さを両立させる商品の開発に取り組んだ。
ピンクなどパステルカラーを基調としたパッケージデザインを採用したほか、プロモーションにも女性視点を盛り込んだ。「アイコフレ」の成功で、現在はラインナップを増やしている。
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