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[PR] シニア層のニーズは一様ではない

「人の心を動かすツボ」と言われる「インサイト」。どんな心の「ツボ」をつけば、生活者の「欲しい」気持ちを生み出せるのか。毎号一つの事例を取り上げ、その背景にあったインサイトを紹介していきます。

多様なサービスでシニア層のニーズを満たす。

「選択肢の多い社会」目指しサービス多角化

日本初の警備会社として1962年に創業したセコム(当時は日本警備保障)は、顧客ニーズに応えながら事業を拡大し、今やグループ会社は200社に上る。シニア向けサービスはその中でも成長している分野のひとつ。在宅医療や生活支援、介護、保険などのほか、老人ホームやシニア向け住宅に至るまで多様なサービスを提供している。

「65歳以上人口が3000万人を超え、日本人全体の25%を占めるようになりました。すでに到来している超高齢社会に対応して『安全・安心』を提供することは、今後の大きな使命になると考えています」とコーポレート広報部の安田稔部長は話す。

そのきっかけとなったのは、1981年の家庭用安全システム(現在のセコム・ホームセキュリティ)への参入だ。同社のコントロールセンターと顧客の家庭にある端末が通信回線で結ばれ、緊急時には警備員が駆け付ける。当時の主な顧客は50~70代の富裕層。日々現場で様々な声を聞く中で、新事業の芽が次々に出てきたという。

もっとも、安田氏はシニアのインサイトを特定の傾向で捉えようとする見方には異論を唱える。「高齢でも元気な方もいれば、認知症や様々な持病に悩む方もいます。お子さんが近くにいる方もいれば、遠く離れて一人暮らしの方もいます。それらをひと括りにしては、ニーズを満たすことはできません」。

創業者の飯田亮最高顧問はかつて、「豊かな社会というのは、選択肢が多い社会のことだ」と話していたという。こうした経営方針に基づき、多様な選択肢を提供して不安やリスクの解消に取り組んできた。

超高齢社会と言われる中で、テーマとなるのはサービスの省力化だ。シニア向けサービスは人手を介して提供するものが多いが、すでに4人に1人が65歳以上。人手は潤沢ではない。ネットワークやITなどのノウハウも取り入れ手間とコストを下げることは課題だ。

その一方で、人が行うサービスの重要性は変わらないという。「長期契約が多く、深く話を聞けるからこそ、新たなニーズに素早く気づくことができます」。

    Point 1

    シニアのニーズは多様なものと捉えあえて絞ろうとしない

    Point 2

    人手によるサービスと省力化のバランスが重要に

セコム 理事 コーポレート広報部長 安田 稔 氏(やすだ・みのる)

明治大学政治経済学部卒業後、1980年日本警備保障(現・セコム)入社。1982年から本社広報室。広報室長を経て、2007年からコーポレート広報部長。2012年から現職。