手書きの戦略論 「ブランドとは、『らしさ』の記憶である」

公開日:2014年8月21日

  • 磯部光毅

前回は、差別化=「違い」こそが大切だというポジショニングの話をしました。今回は、商品の「らしさ」こそが、お客さんに選ばれ続ける源泉なんだという考え方「ブランド論」です。

図1

ブランドイメージの時代

私たちが普段、何気なく使っている「ブランドイメージ」という言葉。かのデイヴィッド・オグルヴィ(オグルヴィ・アンド・メイザー創設者)が初めて使ったと言われています。1955年に、彼が残した「ブランドは複雑なシンボルである。それは、商品の属性、名称、パッケージング、価格、歴史、評判、そして広告手法の目に見えない集合体である。ブランドは、またそれを使用する人の印象と、その人自身の経験により定義される」という言葉。今でも色褪せない卓見です。

1950~60年代、ニューヨークのマジソン・アベニューでまさに広告文化が花開き、フォルクスワーゲンの「Think small」(DDB)や「マールボロマン」(レオ・バーネット)などが生まれたクリエイティブ革命の時代、オグルヴィもビジュアルを駆使してブランドイメージをつくりあげる名作広告を生み出しました。個人的には、現代的な意味での「ブランド論」の源流はこのあたりにある、と思っています。

ブランドエクイティ論の登場

さて、ちょっと時代は飛んで ...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!