1925年に置き薬として販売を開始した鎮痛薬の「ケロリン」。広告媒体として導入した黄色い「ケロリン桶」も50周年を迎え、小売店でのグッズ販売も拡大している。

銭湯の湯桶でおなじみ
内外薬品(富山市)の「ケロリン」といえば、ケロリンの赤い文字が底に印刷された黄色い風呂桶を思い浮かべる人も多いだろう。今では全国の東急ハンズやロフトなどでも「ケロリン桶」は販売されており、2013年からはヴィレッジヴァンガードの店頭にも並ぶようになった。
「ケロリン桶」が誕生したのは今から約50年前、1963年のこと。広告会社からの提案がきっかけだった。「当時、銭湯は全国に2万3000軒。衛生上の問題から、木桶が合成樹脂の桶に切り替わるタイミングでした。多くの人の目に触れる広告媒体として一般の桶より格安で販売するうち、全国の銭湯や温泉、ゴルフ場の浴室などに普及していった」と内外薬品の取締役 東京支社長、笹山敬輔氏は説明する。
近年、銭湯の数は1963年当時の4分の1以下に減少しているものの、現在も年間4万~5万個のペースで製造を続けている。その背景には、小売店などを通じたBtoCの流通が増えたという変化があるのだ。