サステナビリティ・ビジネス戦略家の磯貝友紀氏と独立研究者の山口周氏は、サステナビリティ経営を実践している欧州企業を訪問。それを基にした対談が、『いまこそ、本物のサステナビリティ経営の話をしよう』(講談社)として刊行された。本誌では、磯貝友紀氏にIR部門とサステナビリティ経営の関係などを聞いた。
書籍概要
「資本主義のハック」を提唱し、企業のこれからについて独自の立場から提言を続ける独立研究者・山口周氏、2000年代はじめからサステナビリティ経営・ESG投資に関わり、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)推進に尽力してきた磯貝友紀氏。二人がタッグを組み、先進地域である欧州企業の事例を参照しながら、日本企業にこれから必須の戦略、日本ならではの生き残り策を深く探っていく。
アジェンダ設定が重要に
─本書ではサステナビリティ経営に真剣に取り組む欧州企業の事例が多く紹介されています。これらの企業へは実際に視察に行かれたのでしょうか。
そうですね。Web上だとどうしても「きれいごと」ばかりの記述になってしまいます。そのため、私が知っている「本気の人」、つまり本気でサステナビリティ経営に取り組んでいる人たちを訪ねることで、彼らが「きれいごと」の裏で、ビジネスとして目指していることを聞き出すのが目的のひとつでした。また、どの調査を見ても、日本はサステナブル消費者意識が世界で最も低いとされています...

