リアルの価値が再認識される中、オフィスは企業にとってコミュニケーションツールとしての存在感を高めている。その戦略に迫った。
三井デザインテックは、2021年7月に本社オフィス「CROSSOVER Lab」を開設。2025年9月には一部空間をリニューアルし、働き方のトライアルを継続している。
企業カルチャーと歴史を感じてもらうエントランス


季節ごとに活ける花をアレンジしているエントランスは、コンパクトな空間ながらも同社を感じることができるデザインに。例えば、白いキャンバスをイメージした壁面には、ビスや雨樋、扉に使う蝶番など、建築を意識したつくりになっている。同社では住宅、オフィス、ホテルなど、異なる事業領域があるため、自社オフィスにおいても社内のエキスパートたちの意見が各所に取り入れられている。
統合を機にオフィスを刷新
同社の本社移転の背景にあったのは、2020年10月の三井デザインテックと三井不動産リフォームの統合だ。ホテル、住宅、オフィスなど幅広い空間デザインを手がける同社にとって、異なる事業領域や職種の専門性をどう掛け合わせるかは重要な課題だった。
移転にあたって掲げたコンセプトは「CROSSOVER」。個人の力を最大化し、専門性を掛け合わせ協創するという考え方だ。統合移転PJを担当した同社シニアコンサルタントの木下貴博氏は「『どんなオフィスにするか』から考えるのではなく、会社としてどうありたいか、そのためにどう働くべきかを考えるプロセスを重視しました」と話す。
計画段階では、旧2社の部門代表や経営層へのワークショップやヒアリングを実施。新会社として何を目指すのか、現状の課題は何かを議論しながら、空間と働き方の設計へと落とし込んでいった。
オフィスがある街や来客との「協創」を意識


エントランスの先にあるサロン「CORDs(CrossOveR Design Salon)」には、東銀座に塾を開いていた江戸後期の学者・佐久間象山のアートが柱に描かれている。また、壁面にはデジタルと伝統的な左官の技法を融合させた壁面アートも設置されており、来客や在社の社員数で色合いや表情が変化する仕組みになっている。
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