グローバルPR市場の注目事例を紐解き、日本の広報担当者が活用できる知見と実践手法を解説します。
IPRN AGM 2025で発表された欧州PRの好事例を解説する本連載。第4回となる今回は、心に静かで深い余韻を残すPR事例を紹介します。
ロンドンを拠点とする在宅介護会社The Good CareGroup(TGCG)と、英国西部の港湾都市ブリストルにメインオフィスを構えるPR会社、AMBITIOUSによるキャンペーン「Home Is Where The Heart Is(家は心が住む場所)」は、データと感情、そして人生の記憶がひとつに溶け合うような取り組みです。
このプロジェクトの象徴となったのは、英国の写真家キャロリン・メンデルスソーン氏によるビジュアル作品です。柔らかな光と深い陰影が映し出すのは、老いの現実ではなく、そこに宿る生の尊厳です。88歳のブライアン氏と68歳のアリソン氏─それぞれが自宅という舞台で過ごす日々が、感情的でノスタルジックな物語として静かに立ち上がってきます。退役後も無線通信を続けるブライアン...

