リアルの価値が再認識される中、オフィスは企業にとってコミュニケーションツールとしての存在感を高めている。その戦略に迫った。
用途を固定しない自由な構造
フロア中央の多目的スペース
良品計画は2024年、約30年入居した東池袋の自社ビルから飯田橋へ本社を移転。2026年には増床という形で新たな拠点「ライブオフィス・良品計画飯田橋ファーストタワー」を稼働させた。両拠点に共通するのは、完成をゴールとしない運営思想だ。
5階メインフロア(執務スペース)に設けた多目的スペース「Open MUJI」。コーヒーマシーンや給水機を備え、固定用途を設けない自由な空間で、食事やミーティングなど社員それぞれの使い方に委ねられている。
約1年で移転を実現
移転の背景にあったのは、事業拡大に伴う社員増でスペースが手狭になったこと、そして多フロアに部署が分散しコミュニケーションが取りづらかったことだ。加えてコロナ禍で増えたオンライン会議に対応できる会議室も不足していた。2023年に本社移転が本格始動。総務部や空間設計部(当時)から選抜されたメンバーがプロジェクトを主導し、約1年という短期間で計画を練り上げたという。
掲げたコンセプトは3つ。壁を極力減らした見通しの良い設計、組織変化に対応できる可変性、そして移転後も改善を続ける「完成させないオフィス」だ。同社総務部の赤羽雄気氏は「3つ目を支えるため、総務部主体で『フロア環境委員会』を発足させました」と話す。各部署から選ばれたメンバーが定期的に...

