新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。
家電メーカーとはひと味違う
キャッチーなキーワードや
明確な構成で独自性をアピール
ディスカウントストアの雄ともいえるドン・キホーテ。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス傘下の同社は、プライベートブランド(PB)商品も「情熱価格」の名称で積極的に展開しています。今回は、圧倒的な風力をセールスポイントに「ド風量」と銘打って、多くのメディアで紹介された夏物家電のリリースを取り上げたいと思います。
その発端は2023年に発売した3商品です。当時、家電部門では、安さだけでない他社との差別化が大きな課題となっていました。そんな中で季節家電開発担当の今井潤さんが発案したのが、風量に特化した夏物家電。
既存商品では風量が足りないと感じていた消費者も多かったようで大好評を博しました。2024年には4種7商品に拡大し、「ド風量」というシリーズ名を設定。「ド」は「ドでかい」など度が越している意味もありますし、「ドン・キホーテ」の「ド」でもあり、非常にいいネーミングだと思います。
その中でも冷風扇は、自然の柔らかい風に近いことが商品価値でしたが、あえて風量を大きくしたのがドン・キホーテらしさといえましょう。2024年は4億から4億5000万円の間で見込んでいた売上が、最終的にシリーズ累計6億円に達し、販売台数11万9000台というヒットを記録しました。
顧客の声を商品に反映
2025年は6種9商品に拡大。同社では公式アプリに「マジボイス」という顧客からの評価機能を搭載しており、その要望も取り入れられています。例えば「家に帰ってきて、すぐに涼しくなりたい」という声を受け、サーキュレーターのファンを替えて一般的な風速3~8m/sから11m/sにパワーアップ。大風量冷風扇は、「サイズが大きい」...


