「なぜコーポレートサイトを刷新したい?」 一大事業だからこそ意識しておきたいこと

公開日:2026年4月30日

  • 東孝之、モチマスミサ(デパート)

情報の発信基盤となるコーポレートサイトだが、情報接触のあり方が変化する昨今において、その役割も年々変わりつつある。単なる発信の場ではなく、企業広報の“本拠地”として何を担うべきか。ウェブサイトの企画やデザインなどを扱うデパートに聞いた。

サイトが果たすべき役割は?

─コーポレートサイトの「設計」において、最も大切なポイントは何だとお考えでしょうか。

東孝之氏(以下、東):企業の規模によって細部は変わる前提はありますが、昔から変わらないコーポレートサイトの最も重要な役割は、その企業の“本拠地”のようなポジションにあるということです。社名で検索した際に最初に表示されることが多く、消費者やお客さまが最も信頼を置くメディアは、やはり企業のコーポレートサイト。ですから正確な情報を、そして有事の際にはできるだけ速やかに発信できることが大切です。

もう一つ、コーポレートサイトはKGIやKPIの設定が難しいという側面があります。ECサイトであれば売上やコンバージョンが明確な指標になりますが、コーポレートサイト単体で目的が達成できることは少ない。サイトはあくまで企業全体の戦略の一部であると捉えています。リニューアルは、リブランディングなど何らかの経営課題があって行われるはずです。サイトを新しくしたからといって、すべてが劇的に変わるわけではありません。企業全体の理念や中期経営計画といった大上段の目標に立ち返り、その中でウェブサイトが果たすべき役割は何かを定義する。そして、広報やIR、サステナビリティ担当者の方々と、ウェブの知見を持つベンダーが、共通の認識を持ってプロジェクトを進めることが何よりも重要だと考えています。

“共感を育む”ためのサイト体験

─全体戦略における位置付けが大切だということですね。

モチマスミサ氏(以下、モチマス):その上で重要なのが、サイトでの“体験”をユーザーがどう感じ取るか、までを設計できているかという点です。コーポレートサイトは株主、顧客、取引先、従業員、採用候補者など、ステークホルダーが非常に多岐にわたるため、誰に何を伝えたいのかが曖昧になりがちです。ただ情報を開示しているだけ、見た目が格好良いだけでは、伝えたいユーザーに、正確に情報を届けること、心を響かせることもできません。特に今は、情報に触れる機会が多い分、離脱す...

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設計思想からひもとくサイトリニューアル

企業や団体のコーポレートサイトを取り巻く前提は、大きく変わりつつあります。スマートフォンでの閲覧が当たり前となり、生成AIを用いた情報検索も広がっています。さらに、アクセシビリティへの対応も求められるようになりました。また、リブランディングや事業拡大、海外展開など、サイトの運営主体である企業・団体そのものも変化を続けています。こうした状況の中で、コーポレートサイトは単なる情報発信の場ではなく、企業や組織の信頼を支える基盤としての役割を強めています。しかしその一方で、既存のサイトが現在の実態と合わなくなっていると感じている方も多いのではないでしょうか。リニューアルの必要性を感じながらも、「何から見直すべきか」「どこに力を入れるべきか」に悩むケースは少なくありません。では、サイトリニューアルは何のために行うものなのでしょうか。誰に向けて、どのような情報を、どの順序で届けるべきなのでしょうか。本特集では、こうした問いを起点に、コーポレートサイトリニューアルの現在地を探ります。

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