強化している広報ツール、広報体制などを各大学の広報担当者に直撃。研究機関としての魅力、 SDGsや地域社会への貢献、動画を活用した入試広報など、大学広報の今に迫ります。
| DATA | |
|---|---|
| 創立年 | 1857年 |
| 学生数 | 9307人(2025年5月1日現在) |
| 所在地 | 長崎県長崎市文教町 |
| 広報体制 | 広報戦略本部 11人(公開講座やフォトコンテストなどのイベント、広報誌編集、大学概要作成、定例会見、公式ウェブサイト・SNS、国際広報、メディアリレーション等と、学内主要部局を担当分けしたバンキシャ制による定期的な情報交換会の実施などの大学広報業務を全員でシェア) |
広報戦略本部本部長
松井史郎氏
(写真前列中央)
長崎大学では、現在、広報戦略本部が運用するすべての広報媒体やイベントについて、発行・実施の目的やターゲット、さらにターゲットが本学に期待しているものを整理し、共有する取り組みに最も注力しています。部員が異動などにより入れ替わる中で、媒体それぞれの企画目的やミッションが不明確化したり、共有されておらず、予算や労力をかけた割に多くの人に届く内容になっていない危機感がありました。
そこで、まず、読まれているという実感が薄かった広報誌を2022年秋にリニューアル。それまでとはまったく異なるターゲットと目的を設定する荒療治に踏み切りました。試行錯誤を重ねる中で、2024年には新しいコンセプトが定着、確立したと実感できるようになってきました。そして、同年に最も読者からの反響が大きかった号を、2025年に新設された「大学広報メディアアワード」(日経BPコンサルティング主催)に応募してみたところ、広報誌部門で金賞をいただくことができたのです。嬉しいと同時に、ホッとしました。
この成果を受け、他の広報媒体についても、目的やターゲット、ターゲットが期待しているものなどをすべて洗い直すことにしました。漠然と理解していた事柄を明確に言語化するのは、想像以上に困難ですが、ルーティン化している広報業務の価値や役割を広報戦略本部全体で再認識することで、より良い情報発信のあり方を考えられるのではと期待しています。
「人間臭さ」を打ち出したコンテンツを
今後は、動画に関する戦略をゼロから構築することが喫緊の課題です。日本の西の端に位置する本学では、コストのかかる都市部での情報発信があまり実現できておらず、ここに動画やウェブサイトを活用できないかと考えています。また、イベントや研究成果などを担う「人」に焦点を当て、人間臭さを前面に打ち出したコンテンツを創出すれば、もっとターゲットの共感を喚起できるのではと期待しています。単発の取り組みを相互に連動させて相乗効果を狙うような戦略も必要と感じています。
大学広報部門は、大学が教育や研究などの使命をどのように果たしているかを社会へ発信する役割があります。広報部門がより経営に近いポジションに立つことで、大学のイメージ向上などにも寄与できると考えます。独自性・独立性の強い各学部間に横串を刺して情報を共有するインターナルコミュニケーションや執行部への情報提供、リスク管理面でのサポートなど、経営戦略に沿った情報の受発信策を検討し実行することも広報部門の任務と考えています。
Pick UP
長崎大学広報誌
「Choho(チョーホー)」Vol.86
長崎大学では、2022年に広報誌を全面リニューアル。卒業生と在学生の保護者をコアターゲットとし、大学への支援意識の醸成を目的とした。2024年11月1日発行(年3回発行)号が、大学広報メディアアワード2025で「広報誌部門金賞」を受賞。「研究成果がわかりやすく読みやすく、母校愛を醸成する親しみやすさがある」「企画の一貫性と読後の印象が強い」と評価された。

