体験型PRイベントはステークホルダーとの関係性構築の土台に 形のないものを可視化する表現手段にも

公開日:2025年10月06日

  • 谷澤和哉(オズマピーアール)

─体験型PRイベントにより、企業は何を実現できるでしょうか。

体験型PRイベントは、「ブランドを体現して伝えるコンテンツ」だとも考えられます。顧客とのつながりはもちろん、企業の姿勢や意識啓発、社会への問いかけといった形のないものを表現することで「ブランド」と「社会」のつながりを可視化し、来場者に伝える場としても機能します。

そのため、自社が取り組む社会課題や姿勢などの要素を抽出し、疑似体験や象徴的なシーンとして再現するアプローチが考えられます。

例えば、ある製薬会社の企画で統合失調症の啓発イベントを実施したことがあります。単に疾患を解説・展示するのではなく、「患者さんの散らかった部屋=日常」を再現した空間に、患者さんの頭の中で起きていることを映像で投影することで、...

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Z世代・α世代を中心にSNSが情報収集のメインツールとなった現代ですが、SNSを通じて自社のことを知ってもらえても、それだけですべてが伝わっているとは限りません。だからこそ、実際に見て・触れて・体験するリアルな体験を届ける場づくりが大切になってきています。商品やサービスだけでなく、企業の思いやビジョン、社会的な存在意義を体感してもらう。こうしたブランド体験を通じて、将来の顧客・社員・協業先といった多様なステークホルダーとの信頼関係の土台を築いていく。それは、企業価値の持続的な浸透と対話を担う広報の領域です。本特集では、企業がどのようにブランド体験を設計し、広報活動として社会との対話につなげているのかを探ります。ミュージアムやイベントなど、生活者と企業が出会う「リアルな場」から始まるブランドの伝え方を、最新事例で紐解きます。

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