KPI設定ではメディア露出件数やオウンドメディアのPV数など、可視化しやすい定量的な数字を設定しがちだが、一方で、その数値の意味に悩まされることも。SmartHRではあえて明確な数字目標を掲げず、自社に対する認識の変化を重視している。
企業の広報活動の効果を測る上で、数値化しやすい指標は分かりやすい一方、その数字が本当に事業貢献につながっているのかというジレンマがある。SmartHRの広報部門は、「数字目標を設けない」というアプローチでKPI策定や効果測定を行っている。
数字よりも認識の変化を重視
「オウンドメディアのPV数や露出件数など、様々な指標設定の選択肢があると思いますが、当社では数字目標を半期で設けることはしていません」と話すのは、同社広報の洪由理氏。
同社の広報指標は、常に全社の事業戦略に紐づいて設計される。その上で、各事業フェーズにおいて「世の中からどのような印象を持たれているべきか」「どのような文脈で論じられているのが理想か」という定性的な状況をマイルストーンとして設定。その時々のメディア記事やSNS上の論調が、目指す方向性と合致しているかを確認することで評価しているという。
「発信する内容を変えること自体はさほど難しくありませんが、重要なのは、それを受け手側が納得して、認識をアップデートしてくれているかどうかです。自社やプロダクトの成長に合わせて、世間からの印象を変化させていくことを...

