広報は事業成長を“加速させる”存在 SmartHRが続ける数字に縛られない目標設定

公開日:2025年10月31日

    KPI設定ではメディア露出件数やオウンドメディアのPV数など、可視化しやすい定量的な数字を設定しがちだが、一方で、その数値の意味に悩まされることも。SmartHRではあえて明確な数字目標を掲げず、自社に対する認識の変化を重視している。

    企業の広報活動の効果を測る上で、数値化しやすい指標は分かりやすい一方、その数字が本当に事業貢献につながっているのかというジレンマがある。SmartHRの広報部門は、「数字目標を設けない」というアプローチでKPI策定や効果測定を行っている。

    数字よりも認識の変化を重視

    「オウンドメディアのPV数や露出件数など、様々な指標設定の選択肢があると思いますが、当社では数字目標を半期で設けることはしていません」と話すのは、同社広報の洪由理氏。

    同社の広報指標は、常に全社の事業戦略に紐づいて設計される。その上で、各事業フェーズにおいて「世の中からどのような印象を持たれているべきか」「どのような文脈で論じられているのが理想か」という定性的な状況をマイルストーンとして設定。その時々のメディア記事やSNS上の論調が、目指す方向性と合致しているかを確認することで評価しているという。

    「発信する内容を変えること自体はさほど難しくありませんが、重要なのは、それを受け手側が納得して、認識をアップデートしてくれているかどうかです。自社やプロダクトの成長に合わせて、世間からの印象を変化させていくことを...

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    広報と経営をつなぐ効果測定

    企業を取り巻く環境が急速に変化する中で、広報に求められる役割も変わりつつあります。企業が信頼を得て持続的に成長していくためには、「自社が何を目指し、どんな未来を描こうとしているのか」という経営の方向性を社内外に伝える力が欠かせません。そのため、広報は情報発信にとどまらず、経営の意図を共有し、共感を生み出す「翻訳者」としての役割を担い始めています。さらに近年は、社会の認識や行動をどう変えるかという点も、経営的な広報機能の中核となっています。効果測定においても、露出の「量」だけではなく、「いかに信頼やレピュテーション、ブランド価値を高めたか」といった露出の「質」に重きを置くケースも見られるようになりました。本特集では、目標設定と効果測定のあり方について、アンケートや事例、インタビューから読み解きます。

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