新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。
新しい分野の商品リリースは
定石を押さえつつ、情報の
まとめ方でメディアに響く!
忙しい皆さんは、休んでも疲れが取れないという悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
今回取材したベネクスは、着て休むだけで上質な休養をサポートする衣服「リカバリーウェア」を開発し、市場を牽引してきた企業。リカバリーウェアは『日経MJ』(日本経済新聞社)の「2025年上期ヒット商品番付」にもランクインした注目の商品です。
その特徴は、ナノプラチナなどの鉱物を練りこんだ独自開発の特殊繊維で、着ているうちにリラックスを促し効果的な休養が取れること。今回のリリースは2025年4月に発売した「Recovery Knit Sucker Setup」です。
露出ピークの2カ月前に配信
同社は5年ほど前からコットンを用いたニットサッカー生地の開発に着手。天然素材のコットンの風合いを生かした生地開発や、通気性を高めて衣服内環境の改善を目指しました。2023年の春に発売した長袖セットアップ(上下揃い)の好評を受けて、今回の発売となりました。
広報・PRの下山祐佳さんがリリースに取りかかったのは発売から2週間ほど前で、発売の4日前に配信しています。短期集中に見えますが、実は下山さんはサイズモデルも務めており、完成商品を試着した後に、実感を伴って執筆しているのです。
近年はSNSでの情報拡散も多いため、情報を見た人がすぐに購入できるよう発売に近いタイミングで配信する企業も増えています。また本商品の露出ピークは夏。4月に配信すれば、発刊2カ月前に行われることが多い月刊誌の企画会議にも間に合います。
では、そのリリースを見てみましょう。(ポイント1)...


