世界有数の富裕国で「脱成長」をニュースにする ルクセンブルク大公国発の戦略PR

公開日:2025年10月07日

  • 岩澤康一 (Key Message International)

グローバルPR市場の注目事例を紐解き、日本の広報担当者が活用できる知見と実践手法を解説します。

IPRN AGM 2025で発表された欧州PRの好事例を解説する本連載。今回はフランス、ドイツ、ベルギーに囲まれた、人口67万人強、面積は神奈川県と同規模の大公国、ルクセンブルクの事例を紹介します。

あえて国内における課題をPRメッセージに

ルクセンブルクは金融業や宇宙産業などの高付加価値産業で知られています。IMFの発表によれば、ひとり当たりの名目GDPは14.1万ドル(2025年4月)。これは、2024年12月に内閣府が発表した2023年の日本のひとり当たりの名目GDP、3.4万ドルに対してその4倍以上です。ひとり当たりのGDPの観点では、同国は30年以上にわたって「世界一の富裕国」の座に君臨しています。

そんな同国の、「持続可能な開発に関する高等審議会」(CSDD:Conseil Supérieur pour un Développement Durable/High Council for Sustainable Development)は、創設20周年という節目に合わせて、社会...

この先の内容は...

広報会議』 定期購読者限定です

ログインすると、定期購読しているメディアの

すべての記事が読み放題となります。

購読

1誌

あたり 約

3,000

記事が読み放題!

この記事をシェア