「広報が登場する作品と言えば?」と聞かれた時、どんな作品を思い浮かべるだろうか。書籍を中心に、編集部おすすめの19作品をご紹介。
※書籍の刊行年は原則として単行本の初版を記載しています
※書影は文庫版を掲載している作品もあります
「広報が登場する作品」として目立つのは、汚職事件のような危機対応が絡んでくる作品だ。損保会社の不祥事を題材にした『広報室沈黙す』を筆頭に、銀行(『座礁 巨大銀行が震えた日』)や製薬会社(『誤断』)など豊富。“企業と世間の間で決断を迫られる人々”という意味で、広報は題材にしやすいのかもしれない。事件性という点では、警察の広報課が登場するサスペンスも比較的多い(『64ロクヨン』『朽ちないサクラ』など)。
一方で、特定の業界に焦点を当てたリアリティ溢れる作品も。化粧品業界の裏側を描いた『コスメティック』は、今では見られない1990年代の広報戦略も描かれていて興味深い。また、自衛隊が全面協力した『空飛ぶ広報室』は、2013年に野木亜紀子の脚本でドラマ化もされて話題となった。
本ページでは他にもドキュメンタリーやファンタジー、社会人の揺らぎを描いた作品など、多彩な作品を紹介している。時には日々の業務の癒しとして、時には学びとしてぜひお気に入りの作品を探してみて欲しい。
1980年代〜
広報室沈黙す
高杉良(著)
1984年/文芸春秋
損保業界名門・世紀火災海上保険は内部極秘資料がリークされ、経済誌『中央経済』にスクープされてしまう。広報室の新任課長・木戸徹太郎は、解決に向け記者との接触をはじめ奔走するが、会長の会社私物化、社長と副社長の派閥争いなど更なる闇に巻き込まれていく。危機対応やメディアリレーションという観点も含め、今なお色褪せない名作。
コスメティック
林真理子(著)
1999年/小学館
時代はバブル崩壊後。広告業界に勤めていた北村沙美は、旅行先のフランスでのとある出会いをきっかけに化粧品会社・コリーヌの日本法人PRマネージャーに転身する。新たな仕事にやりがいを感じる沙美だったが、そこには嫉妬、裏切り、不倫など様々な闘いが潜んでいて……。リアリティある業界の描写は「暴露本」とまで言われた著者の代表作。
ドキュメント 戦争広告代理店
情報操作とボスニア紛争
高木徹(著)
2002年/講談社
1990年代のボスニア紛争では、セルビアが「民族浄化」を名目にイスラム教徒を虐殺したとの報道で非難されたが、その裏にはアメリカの敏腕PRマンの情報操作が潜んでいた。2000年放送の『NHKスペシャル』をもとに書籍化された、日本人にはイメージしにくい「戦争とPR」を取材したドキュメンタリー。
座礁 巨大銀行が震えた日
江上剛(著)
2005年/朝日新聞出版
大洋産業銀行 広報部次長の渡瀬正彦は、新聞記者から大洋産業銀行の総会屋への利益供与の事実を知らされる。巨額融資問題は、やがて大手証券会社を巻き込んだ一大スキャンダルへと発展。闇の勢力との癒着の歴史に愕然とする渡瀬だったが……。実在の金融事件を基に、腐敗により自壊していく銀行の真実とビジネスマンの矜持を描いた金融情報小説。
広報パーソン推薦
プラダを着た悪魔
ローレン・ワイズバーガー(著)、
佐竹史子(訳)
2003年(書影はハヤカワ文庫NV)
ファッション誌『ランウェイ』編集部のアシスタ...

