タフネス、イノベーション、グローバル OKIの新たな挑戦の発信拠点

公開日:2026年5月01日

  • 沖電気工業

社会インフラを支えるシステムを提供する沖電気工業(以下OKI)は、国内向けサイトから分離する形でグローバルサイトを刷新した。海外に幅広く展開し、海外メディアとの関係構築も増える中で、新たな発信拠点と期待されるグローバルサイトに込めた思いを聞いた。

DATA
URL: https://www.oki.com/global/(英語版)https://www.oki.com/global/ja/(日本語版)
リニューアル日: 2025年9月30日(英語版)
2025年12月23日(日本語版)
コンセプト: 進取の精神(従来の慣習にとらわれず、進んで新しいことに取り組もうとすること)
リニューアル体制: 広報室2人、外部委託5人(プロジェクトマネージャー、ディレクター、デザイナー、システムエンジニア)
外部パートナー: SHIFT BRAIN Inc.、SHHH Inc.

OKIは1881年に明工舎として創業し、日本初の電話機を開発するなど革新的な通信機器を展開した。1949年に現在のOKIに。コンピューターやプリンターの開発などを通して社会課題の解決に取り組み、自治体の防災行政無線システムから、金融機関のATM(現金自動預払機)、ロケットや人工衛星の電子機器に搭載されるプリント配線板まで、あらゆる場面で社会インフラを支えるシステムを担う。海外展開を進めるにあたり、国内向けのサイトに集約されていた海外向けの情報を発信すべく、国内向けと分離する形で2025年9月にグローバルサイトを新設した。その背景には、海外での事業展開に加え、会社を支えてきた技術者たちの活躍を増やす狙いもあった。

POINT 1
フォントで「タフネス」を表現

24時間インフラを止めない製品の質の高さと意思の強さを示し、力強さを表している。

POINT 2
最新のUIは「イノベーション」を象徴

新しいものに着手し挑戦するという姿勢を最新のUIなどで表現。余白と厳選した情報、奥行きのある写真で「グローバル」を表している。

顧客に届けるため分離

海外向けのサイトの必要性について疑問が持ち上がったのは、2023年4月。それまでにも、特に欧州などでプリンターの需要が高く、展開はしていたが、中期経営計画2023にグローバル市場の立て直しが盛り込まれたことを受け、広報・プロモーション室デジタル企画チームのエキスパートである小野智正氏がウェブの立て直しの必要性を喫緊の課題と提案。2024年9月に国内向けのコーポレートサイトから分離させ、約1年かけてリニューアルを実施した。

従来の日本地域のサイトでは、コーポレートも、技術も、あらゆる情報が混在しており、何がどこにあるのかわかりにくい設計になっていた。硬い内容のコーポレート情報と、発色の美しさなどを色鮮やかに伝えたい技術の情報を同じように見せてしまうと良さを伝えられない。ウェブ運営のガイドラインがあったが、それでは同社の強みや魅力を十分に伝えることは難しく、反対に、表現を自由にしてしまえばガバナンスが効かなくなってしまう。そこで、「ターゲットに合わせたデザインにしなければ」(小野氏)と考え、分離という決断に至った。

軸にした3つの言葉

リニューアルに取り掛かる上で、「同業他社と自社を比較したり、コーポレートカラーを使ったりと小手先での進め方もあったが、それではだめだ。OKIらしさは何だ」(小野氏)と問い直し、同社の特長であるタフネス、イノベーション、グローバルという3つの言葉を軸として据えた。土台でもあるタフネスは、24時間インフラを止めない製品の質の高さと意思の強さを示し、力強さをフォントの種類や大きさで表現。イノベーションは、新しいものに着手し挑戦するという姿勢を最新のUIなどで表した。グローバルは、顧客と一緒に社会の課題解決に取り組むことから、世界に通用するスケール感を、余白と厳選した情報と奥行きのある写真で描いている。

新たなデザインのトップページには、同社のパーパスを大きく表示。3DCGを使って架空の街を作り、航空宇宙向け製造受託サービス、空港の自動チェックイン端末、AI技術で最適な配送計画を自動作成して配送コストを最小化する配送最適化サービスなど、身の回りでいかに多くの同社の技術が展開されているか、事業領域の広さを直感的に知ることができるようになっている。

こういった細かなこだわりを実現できたのは、20年来の付き合いがある外部委託先のシフトブレインの存在があったからだ。今回のサイトも、要件依頼書などを作って渡すのではなく、「唯一無二のものにしたい」「日本の企業だが国内で横並びにならないようなギミックを入れたい」「グローバルサイトで差別化を図りたい」など普段の会話の中で目指すサイト像を共有し、理想に近付けていった。盟友ともいえる外部パートナーは「私がどういうサイトが好きかまで理解してくれていると思う」(小野氏)というほどの信頼で結ばれている。こうして生まれたこだわりの詰まったサイトを見たグローバル部門や技術部門の社員からは「変わったね」など好評だという。

顧客が主役のサイトに育てる

現在進行形で文言や見せ方など改修を続けており、今後は「お客様が主役になるサイト」にすべく走っている。

例えば、同社はATMを製造しているが、一般の人は金融機関のサービスを利用しているのであって、OKIのATMを使っているという認識はない。こうした同社のサービスを提供している側である金融機関や航空会社など幅広い顧客を主役に据え、OKIはそれを支える立場として演出したいと考えている。小野氏は、「F1で例えれば、お客様がレーシングドライバーであり、弊社はドライバーが最大限の能力を発揮できるように支えるメカニック。今のサイトでは、メカニックがタイヤの商品紹介しているような状態なので、お客様の活躍を主軸にしながら、その背景に弊社がいることを伝えられたらと考えている」と展望を語る。

国内ではキャッシュレス化が進み、ATMの需要も楽天的には見通せない中で、海外への展開は同社の新しい挑戦でもある。インドや東南アジアなどまだ現金使用が多い国にターゲットを広げ、インドやベトナムにATMの生産工場を建設した。こうした情報を現地のメディアに取り上げてもらうためにも、海外向けの発信は必須だ。同室広報チームのチームマネージャーである田籠勇一氏は「新たな提携など海外展開も多く、海外メディアとの新たなリレーションも構築できた。これからグローバルサイトは海外への発信拠点になる」と期待する。

POINT 3
3DCGで直感的に伝える

街なかでいかに多くのOKIの製品が使われているかを表現(上)。赤い丸をクリックすると、各サービスの説明を見ることができる(下)。

誇る技術者の活躍につなげる

また、海外展開を進め、グローバルサイトを新設した背景には、同社が誇る高度なスキルを持つ技術者たちの存在もある。これまで同社の先進技術を支えてきた社員の高い技術力が、ATMの将来的な需要減などで埋もれてしまうのは大きな損失だ。現場の技術者にも危機感が広がる中、グローバルサイトとともに始まる海外への挑戦は、OKIの誇りである技術者たちの士気を高め、特に若手のモチベーションを上げるという会社の強い思いからだ。田籠氏は「海外市場を伸ばし、企業価値を高めることは、技術者たちの活躍につながる」と言う。

新たな発信拠点を得たOKIは、今後、日本地域のサイトのリニューアルに取り組み、成果を検証しながら、他地域のリージョナルサイトの必要性についても検討するという。小野氏は「世界のパートナーやお客様が必要とする情報を、最適な形で届けるためのサイト構成を進化させていく」と強い決意を語った。

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