異なるミッションを抱える部門同士が、どうすれば同じ旗印のもとで動けるのか。一朝一夕には出ない答えに対して、KDDIの広報部門と技術部門の二人が実践してきたのは、数字による効果測定と、地道な対話を重ねること。派手な仕掛けではなく、日々の積み重ねこそが組織を動かす─そんな等身大の広報論を語り合った。
KDDI
宮川広気氏
渉外・広報本部
広報部企画グループ グループリーダー
KDDI
花家綾香氏
先端技術統括本部 先端技術企画本部
先端企画統括部 広報グループ グループリーダー
Point
①広報が一方的に発信を考えるのではなく、パートナーとして他部門と話し合う
②定量的な効果測定と直接の対話の両輪で部門の壁を越えていく
③言語化や仕組みは一度で完成しない。小さな成功体験の積み重ねが組織を動かす力になる
「入口の広報」から始まる連携
─まず、お二人が現在担っている役割について教えてください。
宮川:広報部 企画グループでは、全社イベント「KDDI SUMMIT」の運営や、世界最大級のモバイル関連展示会「MWC Barcelona」への出展など、お客さまに直接お伝えする場づくりを担当しています。併せて、ニュースリリースサイトの改修やSNS・動画発信といったデジタル領域の強化、報道記事の定量分析にも携わっています。
花家:私は先端技術統括本部で、技術領域の広報を横断的に見ています。数年前まで広報部の報道グループに在籍していたのですが、そこから技術の現場に異動し、専門性の高い内容をどう分かりやすく社外に届けるかを検討する役割を担うようになりました。宮川が担当するKDDI SUMMITやMWCでも、技術部門としての見せ方を一緒に考えています。
─広報部は、広報を単なる情報の伝達係ではなく「経営に資する戦略部門」として機能させたいとしています。他部門とは、どのように協力体制を築いているのでしょうか。
宮川:意識しているのは「入口の広報」であることです。案件が固まってから発信方法を考えるのではなく、事業側がどんな課題を抱えているか、世の中で何が話題になっているかを、早い段階から一緒に話し合う。パートナーとして入口から関わることで、初めて魅力を十分に伝えられると考えています。以前の広報は報道対応が中心でしたが、今は分析データの活用やイベント企画まで仕事の幅が広がったぶん、事業側との連携は以前より強まっていると感じます。
─具体的には、どのような場で連携が生まれているのでしょうか。
宮川:例えばKDDI SUMMITでは、事業側が...


