様々な業務に向き合う広報パーソンは、“広報”をどのようにとらえ、どこに魅力を感じているのか。自身の転機を踏まえながら、広報観について聞く。
秋葉原から「面白く」て「役に立つ」をコンセプトに商品を開発・販売する家電メーカーのサンコー。同社の広報部長を務めていた﨏えき晋介氏は、2022年にサンコーが日本毛織のグループに入ったことをきっかけに、2025年4月から日本毛織に転籍。現在は、日本毛織とサンコー、双方の広報に携わっている。
営業のために広報を学ぶ
﨏氏は自動車販売会社の営業職としてキャリアをスタート。その後、輸入家電メーカーや韓国資本の雑貨商社でも営業職に就いた。そんな同氏が広報に出会ったのも、営業活動を進める中でのことだった。
「営業目標が設けられているなかで、認知度が高いとは言えない企業・ブランドの商品を扱うのは商談のアポイントを取るのも苦戦する状態でした。多くの店舗で商品を取り扱ってもらう方法を考えていたところ、メディアに取り上げられれば認知や信頼を獲得でき、小売店から『うちの店で売りたい』と言ってもらえるのではと思いつきました」と﨏氏。
そこで、メディアにアプローチするために書店で「プレスリリースの書き方」をはじめとする広報関連の書籍を購入。書籍の教えに倣って初めてプレスリリースを作成して配信した。このプレスリリースが...

