役員同士の「言葉合わせ」から現場浸透まで NECのカルチャー変革の道のり

公開日:2025年9月03日

  • 森田健氏

日本電気でカルチャー変革を主導した同社ピープル&カルチャー部門兼コンサルティングサービス事業部門主席プロフェッショナル(カルチャー変革エバンジェリスト)の森田健氏が、「人が動く、会社が変わる:NECのカルチャー変革と人的資本経営のリアル」をテーマに講演した。

2025年に創業126周年を迎えたNEC。創業時は「通信技術ベンチャー」(第一の創業)、1970年代後半からは「ICT企業」(第二の創業)、2010年代からは「社会価値創造型企業」(第三の創業)と、時代によって価値創造のあり方を変容させてきた。

「第三の創業」のきっかけは、リーマン・ショックなどを受けた2011年の業績悪化だった。それを機にこれまでの事業を見直し、以降3人の社長のもとで製造業から情報サービス業へと生まれ変わり、業績を回復させてきた。実際の事業に取り組む「人」の力を最大化するためには、基礎となるカルチャーの変革が必要だが、それを主導したのが森田氏だ。

講演する森田氏

段階的なカルチャー改革

カルチャー変革のプロジェクトは「Project RISE」と命名された。プロジェクト開始前に取り組んだのは、同社の存在価値の再定義だ。2011年からの7年間で、役員の相互信頼・関係強化を図った。

その後、2018年からは「RISE 1.0」として本格的に改革を開始。人事改革、働き方改革、コミュニケーション改革の3つに取り組んだ。コミュニケーション改革が人事改革と働き方改革を包含し、制度などの見直し(人事・働き方)と、それらの社員への伝え方(コミュニケーション)を変えた。森田氏は、「重要なのは、変わることの受容と、変革のための基盤整備でした」と話す。「変わることを受容してもらうためには、会社と社員の信頼関係を再構築する必要があります」(森田氏)。

2021年からは「RISE2.0」として...

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