“おまけ”転売問題に広報はどう向き合うか 販売前の需要読み違いが炎上を招く

公開日:2025年12月01日

  • 磯貝 聡(共同ピーアール 総合研究所)

企業が提供する“おまけ”がフリマアプリなどで取引され、炎上の火種となる。発売直後の品薄、SNSでの不満の拡散、高額取引、これらは偶発的トラブルではなく、企画段階から潜んでいた構造的リスクだ。転売問題を広報の視点から捉え直して対策を考える。

近年、企業の販売促進キャンペーンで提供される“おまけ”付き商品が、フリマサイトなどで高額転売される事例が相次いでいます。

マクドナルドのハッピーセット「ちいかわ」「ポケモンカード」や、コンビニ各社のアニメコラボキャンペーン、回転寿司チェーンの景品企画など、人気キャラクターや話題性の高い商品ほど発売直後に品薄となり、SNS上では「買えない」、「転売されている」といった不満が瞬時に拡散します。

こうした現象は単なる消費行動の変化ではなく、企業の信頼や危機対応力を可視化する鏡となっています。

企画・告知段階で危機に備える

“おまけ”企画は、①マーケティング担当者による企画立案、②店頭ポスターやウェブでの事前告知、③店舗での販売(配布)、④消費者への提供と消費、という流れで進みます。

この中で③と④が顧客との接点であり重要であることは本稿の最後に述べますが、危機管理広報として論じるのは①と②の段階です。すなわち、販売前の企画段階で「転売目的の需要」をどこまで想定できるかが、炎上や混乱を防ぐ分かれ道になります。

知名度の低い企業が売名のために炎上承知で“おまけ”ビジネスを実施する場合を除いて、確信的に転売需要を狙う企業はほとんどありません。

しかし、人気キャラクターや限定デザインを使用する等、高い需要が想...

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危機を乗り越える広報対応

2025年は、サイバー攻撃や学校現場でのトラブル、転売をめぐる混乱、生成AIによる誤情報など、危機の種類だけでなく広がり方も複雑さを増した一年でした。問題そのものよりも、「状況をどう整理し、どのように向き合おうとしているのか」が可視化され、その姿勢が企業評価に直結する場面が増えています。こうした環境下で、危機を乗り越えるためには、発生した出来事の背景や影響範囲を的確に捉え、取引先・顧客・生活者といった多様なステークホルダーの視点を踏まえて対応の筋道を示すことが欠かせません。他社で起きた問題であっても、自社の方針や価値観が問われるケースが増えるなど、広報の判断領域はこれまで以上に広がっています。本特集では、2025年の事例に関する調査や専門家の寄稿をもとに、組織が混乱を最小限に抑え、信頼低下やブランド棄損を防ぐための広報対応を整理します。危機に直面した際、何を基準に判断し、どのように説明するのか。「乗り越えるための広報」の視点を、多角的に探ります。

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