新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。
政府統計を活用した切り口に
時流キーワードを散りばめて
定期的なメディア露出を獲得!
今回は、政府が発表する統計結果を活用して省エネで作成し、毎年恒例のリリースとしてメディア掲載を勝ち取っている案件を紹介します。
配信元は焼ビーフンでおなじみのケンミン食品。財務省が発表する通関統計で、ビーフンやフォーなどの米を主原料にしためんの輸入量が増加していることに着目し、自社製品の伸長を絡めたリリースを配信しています。
政府統計を有効活用
初めて配信したのは2023年2月。統計で2022年の輸入量が史上初めて1万トンを突破したことに高村祐輝代表取締役社長が注目し、広報室室長の田中国男さんも「これはいいニュースになる」と感じたそうです。
同社は1950年の創業時からビーフンを主力商品としてきました。当時の日本は戦後の食糧不足でタイからコメを輸入しており、それを使って国内でビーフンを製造。その後、国内産業として米を守るために輸入制限がかかり、タイ米が日本に入らなくなりました。
基本的に、日本の米はビーフン向きではありません。ビーフン特有の「細いのにプチプチと切れない強いコシ」を出す成分・アミロースが少ないのだそうです。その時期は、日本の米にでんぷんを加えるなど、苦心しながらビーフンをつくったといいます。同社は40年ほど前にタイに自社工場を設立。現地で製造したビーフンを輸入する方式に転換し、今に至っています。
昔からあるビーフンの輸入量が近年、とみに増加したきっかけのひとつは新型コロナウイルス感染症の拡大による内食需要の高まりです。野菜を加えて簡単に調理できるビーフンは時流に乗るとともに健康志向の高まりにもマッチ。もうひとつは、日本で暮らすベトナム人の増加に伴い、ベトナムから彼らの主食であるフ...


