いかなる企業も、メディアに取り上げてもらい露出を増やしたいのは同じこと。読者を飽きさせない独自の切り口で取材を続ける人気媒体の編集長2人に、「思わず付き合いを続けたくなる広報」とはどのような存在か語り合ってもらった。
熱意や媒体らしさを考慮し検討
─取材テーマや取材先はどのように選んでいますか。
澤原昇氏(以下、澤原):『日経トレンディ』は特集主義なので、今月が股関節の特集なら来月はクレジットカード、その次は万博、というようにテーマが都度大きく変わります。そのため、特定の業界ばかりを追うのではなく、特集に合わせてランダムに取材先を決めることが多いです。意識しているのはどんな特集でも、ヒットしている商品やサービスは取り上げること。小売店を取材して今消費者が求めているものを探したり、業界で話題になっているものを中心に選んだりしています。
山田俊浩氏(以下、山田):『週刊東洋経済』は週刊誌でサイクルが早いため、常に複数の企画が走っています。基本的にはデジタル特集として週に2~3本企画を並行して進め、スケジューリングしています。テーマ選定で重視しているのは “ユニークネス” です。あるテーマに対して、媒体としてどのような付加価値のある情報を出せるか。他社がやっていない切り口はどこにあるか。その上で、編集者が「本当にやりたい」という熱意を持っているかを重視します。ある意味プロダクト...
