人的資本経営の中核指標である「エンゲージメント」を「仕事・職場・会社」の3軸で捉え直し、女性活躍・若手定着・ミドル層活性化という具体的な組織課題と紐づけながら、測定から施策・経営判断までの実践的な活用法を解説します。
第1回ではエンゲージメントを「仕事・職場・会社」の3つに分けて捉える考え方を紹介しました。第2回では「仕事へのエンゲージメント」、第3回では「職場へのエンゲージメント」に着目し、それぞれ女性活躍や若手定着との関係を見てきました。
今回は、「会社へのエンゲージメント」に焦点を当てます。
企業では近年、若手社員や管理職層への育成投資が積極的に行われています。一方で、管理職登用前後のミドル層は「一人前」と見なされることで、育成や支援の対象から外れやすい傾向があります。しかし実際には、この世代こそキャリアの停滞や将来への不安を抱えやすく、会社とのつながりが弱まりやすい層でもあります。
会社へのエンゲージメントをどのように維持・向上させるか。その視点は、組織全体の活力を考える上でも重要になっています。
見過ごされがちなミドル層
人的資本経営では若手育成や管理職育成に注目が集まりがちですが、その間に位置するミドル層については、十分に議論されていないケースも少なくありません。
ミドル層は、一定の経験を積み、業務を自律的に遂行できる存在として期待されます。...

