課題解決に向けたイベントがブランディングと信頼獲得に

公開日:2025年6月30日

  • 井上岳久(井上戦略PRコンサルティング事務所)

新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。

開催報告の事後リリースも
ポイントをおさえれば
メディア掲載につながる!

今回はイベントやキャンペーンの結果報告リリースです。通常、イベントは開催前に告知リリースを配信しますが、これは開催後に配信して掲載を狙うリリース。いわば応用編で、一般的には公開しないものですが、今回は特別に紹介します。

テキストは、鹿児島県のハウスビルダー、七呂建設です。私が出会った7年前は鹿児島県で注文住宅着工・完工棟数第2位でしたが、その後の積極的な広報施策でナンバーワンに躍り出た勢いのある企業です。

同社の広報チームが提案して2024~25年に実施したのが「キッズ大工体験プロジェクト」というイベント。同社の新設のモデルハウスで、3回にわたって小学生に住宅建築の工程を体験してもらうというものでした。

人材不足問題への取り組み

その裏側にあるのは建築業界の深刻な人材不足。過去20年で就業者数が約50%減少している実態があります。つまり、次世代の子どもたちに大工の魅力を広めることが狙いです。

企画が始動したのは2024年の5月頃で、イベントは8月・10月・2025年1月の3回、継続的に実施しました。参加する小学生は主に自社ホームページで募集し、男女交えて7人を選抜。イベント当日は同社ゆかりの大工さん数人が中心となり、中でも棟梁が乗り気で進めてくれたそうです。

第1回は「キッズ大工任命式&地鎮祭」。キッズ大工たちは赤い法被を着用し、地鎮祭で一人ずつ「鍬入れ」と「玉串奉奠たまぐしほうてん」を体験。これは実際に家を建てないと体験できないので、家づくりの神聖さが伝わったことでしょう。

第2回は「上棟式・大工体験会」。柱に日付などを入れる「筆入れ式」では少し緊張気...

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