システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

東京都「伝わる広報大賞」開催 優れた事例を共有、職員の広報スキル向上へ

公開日:2025年5月30日

PR

東京都は、庁内の広報活動を表彰する「伝わる広報大賞」を開催した。コミュニケーション施策の戦略や成果を振り返り、ベストプラクティスを都庁全体で共有。職員の広報マインド醸成や、スキル向上に取り組んでいる。

優れた広報活動を担った都の職員を称える「伝わる広報大賞」表彰式の様子。

2月4日、都庁の大会議場では「伝わる広報大賞」の最終審査が行われていた。東京都の広報活動を担う庁内各局のメンバーが登壇し、2024年に取り組んだコミュニケーション施策についてプレゼン。広報活動の目的やターゲット、手法、効果測定の結果などを発表し、その様子は庁内で生中継された。

最終審査には外部専門家が参加。応募総数73件の中から、グランプリと部門賞あわせ12件の受賞作を決定した。コミュニケーションを通じて解決したい課題は何か、そのために誰に何をどのタイミングで伝えるかを適切に設計し、成果につなげた施策が受賞に至っている。表彰式には、小池百合子都知事が出席し、受賞者にトロフィーを授与した。

広報機能を強化する取り組み

「伝わる広報大賞」の開催は、昨年に続いて2回目。優秀事例を共有する機会を設けることで、職員の広報活動へのモチベーションを喚起し、スキル向上へとつなげる狙いだ。

加えて、職員自身がこれまで取り組んできた広報活動を見つめ直す機会にもなっている。第1回の受賞者が、伝え方の工夫をさらに研究し、広報の手法やメッセージを磨き上げ、第2回の応募に臨む様子も見られた。

表彰制度を企画・運営するのは、政策企画局 戦略広報部。各局で取り組む広報活動を、全庁横断で支援する部門として、2022年に設立された。同部は、民間で広報や広告の業務経験がある人材の公募も積極的に行っており、都が注力する「広報機能」強化の中心的存在を担っている。

2つの部門賞を新設

第2回伝わる広報大賞では、部門賞として「デジタルマーケティング推進賞」と「国際広報推進賞」を新設した。小池都知事は「今は『Age of Digital(デジタルの時代)』。縦型・横型の動画を縦横無尽に駆使し、見てもらう、広げてもらうためのスキルを、都庁全体で高めていただきたい。そして、都の魅力を海外の皆さんに知ってもらうことが非常に重要」と背景を語り、「受賞作での工夫を互いに学び合い、広報マインドをシェアしてほしい」と期待を寄せた。

グランプリは漫画コラボ

グランプリを受賞したのは、生活文化スポーツ局(2025年4月から生活文化局へ組織改編)の「人気漫画『範馬刃牙』とコラボ!『名もなき家事』普及啓発事業」。家事・育児に対する意識改革を目指し、コアターゲットである子育て世代の男性にメッセージを届けるため、格闘漫画とコラボした動画を展開した。「名もなき家事」とは、「トイレットペーパーの補充」など、具体的な名前はないが生活に欠かせない家事のこと。その分担状況は男女間で大きな差があることが調査で明らかになっている。「名もなき家事」の認知・理解を促すインパクトのある動画は、公開1カ月で55万PVを獲得した。

分析に基づく施策に評価

デジタルマーケティング推進賞では、動画やインフルエンサーを活用した施策や、データに基づきメディアプランを設計した取り組みなどが受賞している。最終審査委員の小林圭介氏(キネッソジャパン ディレクター)は、「デジタルマーケティングの3原則『つくる・届ける・分析する』にきちんと取り組み、メッセージを伝えられている」と評価した。

国際広報推進賞は、海外に向け魅力的なコンテンツを発信した取り組みが選ばれた。最終審査委員のキャンベル・ハンリー氏(ウェーバー・シャンドウィック マネージング ディレクター)は、「海外への発信では、伝えたいことと相手が知りたいことのギャップが生じやすいが、受賞作はリサーチや戦略のレベルが高かった」と振り返った。

さらなるスキル向上へ

そのほか部門賞として、ユニークな切り口で話題を生み出した取り組みを称える「クリエイティブ賞」、職員のアイデアで予算をかけずに成果につなげた施策に贈る「インハウス制作・企画賞」も選出された。

受賞した広報活動は、「島しょ地域の認知拡大」「トー横に集まる若者への注意喚起」「救急車の適切利用の啓発」「都立定時制高校の説明会への来場促進」など。都の広報活動は、広範な分野に及び、社会課題の解決に密接にかかわっていることが分かる。それゆえに、ターゲットを踏まえた戦略的な広報、新たな発想が求められている。戦略広報部では「伝わる広報大賞」での学びを都庁内に共有し、都民が必要とする情報を確実に届ける「伝わる広報」を一層推進していく方針だ。

2024年度「伝わる広報大賞」の主な受賞作品

グランプリ

人気漫画「範馬刃牙」とコラボ!
「名もなき家事」普及啓発事業
生活文化スポーツ局(2025年4月から生活文化局へ組織改編)

家事・育児に対する意識改革・行動変容を目指し、「名もなき家事」の認知・理解を促進するアイデアを都民から募集。その入選作品で広報物を制作した。コアターゲットを子育て世代の男性とし、『範馬刃牙』とコラボ。登場キャラクターの対話を通じてメッセージを伝える動画は、公開1カ月で55万PVを達成。メディア露出にもつなげた。

©板垣恵介(秋田書店)1992*「範馬刃牙」とのコラボレーションは2025年3月31日で終了


デジタルマーケティング推進賞

東京ライフ×キャリア
~女性活躍の推進に向けた年収の壁等の正確な理解促進~
産業労働局

学生やパート・アルバイトで仕事を頑張る人、セカンドライフを意識し始めた人を対象に、キャリア・ライフプランを考えるきっかけを提供する動画。世代ごとに内容を変え、タレントの起用やアニメーションの活用で、堅苦しいイメージのある社会保障制度についても伝わりやすい内容に。約4000万回の視聴完了を記録し国の審議会でも紹介された。

動画のYouTube上の掲載は、2026年3月31日まで

詳細はこちらから


国際広報推進賞

かいごパスポートTokyo(KaiTo)福祉局

外国人介護従事者の受け入れ促進を目指し、東京や介護の仕事の魅力について発信。介護に従事する人、介護事業者双方への「安心感」提供を広報活動のコンセプトとした。メインターゲット国としたインドネシアでの現地イベント出展や動画配信を行うとともに、マッチング支援サイトを構築し、介護事業者への働きかけも行ったところ、目標を上回る就職希望者を集めた。

詳細はこちらから