コーポレートサイトはステークホルダーとつながる重要な接点のひとつ。NOKは、リブランディングの一環として現在コーポレートサイト改革を実施中。すべてのグループ企業を巻き込んだ、大規模計画の全容を紹介する。
自動車部品の製造などで知られるNOKは、2024年4月3日に国内外93社統一の新コーポレートアイデンティティ(CI)を発表。1年後の2025年4月1日にはコーポレートサイトをリニューアルオープンした。
佐藤可士和氏による新CI
このタイミングでリニューアルを実施した背景には、グループ企業全体を巻き込んだリブランディング施策がある。
同社は1941年の創業以来、自動車のエンジンに使われるオイルシールや情報精密機器に用いる回路基板のフレキシブルプリント基板などを取り扱っている。特に自動車向けオイルシールは国内シェア70%を占めるなど、まさに「知る人ぞ知るメーカー」だった。
一方で、業界以外における認知度は以前から課題とされていた。加えて、多くのグループ企業が存在するにもかかわらず、各社のロゴやコーポレートサイトのデザインもバラバラで、一見すると同じグループであることも分からない状態だった。
「このままではコミュニケーションロスも多く、新規事業やグローバルマーケットなど、今後当社が伸ばしていきたい領域に対してプレゼンスを獲得することができない。そこで、まずは企業ブランディングが必要と考え、新CIを策定することに決めました」と話すのは、今回のリブランディングの指揮を執った、古川裕子氏(執行役員 グループチーフコーポレートアフェアーズオフィサー兼CEOオフィスヘッド)。
他業界に長年身を置いていた古川氏は、2022年4月にNOKに入社。すぐさま課題を感じ取り、「外に出ていくためにはまずは化粧をすべき」として、企業の顔であるロゴなど、ビジュアル面も含めたリブランディングに着手。日本の製造業にありがちなJTC(伝統的な日本企業)風土からの脱却を試みた。
新CIの策定にあたっては、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏を起用。議論を重ね、2024年4月3日にはNOKを含む主要5社のロゴをリニューアル。統一感があり、グループ企業同士のシナジーを感じさせるデザインとなった。
同時に、グループ統一の新タ...