ミスズライフの能登工場では、地震後の復旧作業で、生き延びたぶなしめじの菌株が見つかり、その商品化に挑むことに。「奇跡のぶなしめじ」は、どのような過程を経て発売に至ったのか?
前回は、能登半島地震による被災の中、奇跡的に生き延びた菌株を活かし、「奇跡のぶなしめじ」誕生への一歩を踏み出したところまでをお伝えしました。通常ぶなしめじの培養期間は、70日程度ですが、生育テストの段階でその期間が150日を超える計算に。いざ試食してみると、旨味成分は増幅。外見にバラツキのある個性的なぶなしめじを、“ワイルドな魅力”としてPR視点で捉え直し、新たな価値提案へと挑戦することになりました。今回は賛否の声を越え、いかにして「奇跡のぶなしめじ」の商品化を実現したのか、その舞台裏をお伝えします。

通常のぶなしめじと「奇跡のぶなしめじ」(右)の比較。
前例のない「基準」での挑戦
2回の生育テストを終えた後、私が所属するマーケティング部内では、いち早く商品化に向けて動き出していました。通常のぶなしめじとの違いをどのようにPRの視点で伝えていくか、パッケージデザインやメッセージをどのようにするかなど、...