入社式を社内イベントで終わらせず、社外に対しても発信する意識を持つことで、企業の印象は変わる。世の中の関心を引きつけ、メディアに選ばれるイベントとするための工夫とは。注目の事例を紹介する。
4月1日には多くの企業で入社式が行われた。
新入社員を歓迎し、企業への帰属意識や社会人としての意識を醸成することが主目的とされる入社式。しかし、企業の姿勢や方針を知ることができる機会でもある入社式は、世の中からの関心も高く、毎年、テレビや新聞をはじめとする多くのメディアでも取り上げられている。広報担当者は入社式を社内イベントとしてだけではなく、社外に対する情報発信の機会としても捉えるようにしておきたい。
企業の中には、事前にメディアに対して入社式の案内を送り取材を誘致する企業や、開催後にプレスリリースでレポートを配信してメディア露出を狙う企業も少なくない。
メディアが取り上げたくなる入社式のポイントのひとつとして、世の中の情勢を捉えた “今ならでは” の発信やコンテンツが用意されているか、という点がある。社会課題と自社の取り組みをつないだ発信は、まさに広報・PRの得意とするところだろう。
2025年度の入社式では、「物価高」や「人材不足」などの社会課題を背景に、「初任給の引き上げ」を発表する企業も多く、実際に、伊藤忠商事、オープンハウス、大和証券グループ、ファーストリテイリング、明治安田生命保険などの企業の初任給引き上げのニュースがメディアでも報じられた。
また、プログラムの内容にその企業ならではの資産が活用されているか、事業との関連性が感じられるかといった点もポイントとなってくるだろう。
ローソンではアバタークルーが入社式の司会を務め、配送ロボが新入社員の辞令を運んでくるといったプログラムを用意したほか、ファンケルでは先輩社員がグループ新入社員のうち希望者にメイクを施す取り組みを実施。西武グループでは、入社式を行うベルーナドームまでの道のりを西武鉄道の特急ラビューを「新入社員号」として貸し切りにして運行した。
ほかにも、トップメッセージの中に、見出しとなるようなキーワードを盛り込む、芸能人や著名人を招くなどの方法も見られた。入社式の様子が報じられることは、企業イメージの醸成につながるほか、次年度以降の採用にも影響を与える可能性がありそうだ。
カルビー

DATA | |
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「2025年度カルビー入社式 兼『朝食白書』記者発表」 | |
日時 | 4月1日 9:00~10:30 |
会場 | ベルサール秋葉原B1ホール |
新入社員数 | 約110名 |
プログラム
入社式 兼「朝食白書」記者発表 9:00~9:50
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