美大愛好家の手羽イチロウと申します。ふざけたペンネームですが、一応武蔵野美術大学(以下、ムサビ)の職員でして、広報担当課長だったりします。
リレー連載の2回目となる今回は、前回最後に触れた「シャドーワーク」について書いていきます。
シャドーワークとは
『シャドーワーク:知識創造を促す組織戦略』(一條和生・徳岡晃一郎著、東洋経済新報社、2007年)によると、「シャドーワーク」とはもともとは社会評論家・イヴァン・イリイチの造語で「無報酬とされている仕事だが、何らかの経済行動の基盤を維持したり、支援したりするために不可欠の仕事」を意味し、社会学者の鶴見和子氏が「消費社会を支えている影の労働(影法師の仕事)」と紹介したことにより、日本では家事育児労働等を表すネガティブな言葉として使われる傾向が強いです。
でも、ここでは上述『シャドーワーク:知識創造を促す組織戦略』で語られている「公式の組織で既定された権限、役割分担、業務プロセス、意思決定プロセスなどには乗ってこない、個人が自分の自主的な意志と裁量で創造的に編み出す仕事やそのための勉強、準備活動など全般」として話を進めます。
シャドーワークの要素は、
• アンオフィシャル
•(基本的に)無報酬
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