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社内コミュニケーション 従業員が参画したくなる伝え方

人材確保が難しい時代に従業員エンゲージメントを高める3ステップ

  • 中塚敏明(スキルティ)

優秀な人材を維持・確保し、組織が持続成長するために欠かせないとして、注目される「従業員エンゲージメント」。組織のコミュニケーションを担う広報担当者は、エンゲージメントを高めるために、どのようなことが期待されているのだろうか。

従業員エンゲージメントは、企業が目指す方向性や姿に対する従業員の理解度、共感度、行動意欲を示す指標です。高いエンゲージメントを持つ従業員は、業績向上や顧客満足度の向上に主体的に貢献し、企業の成長を促進する傾向にあります。

エンゲージメントが低迷すると

一方、エンゲージメントが低い企業では、生産性や創造性が低下し、業績に悪影響を及ぼすことがあります。さらにエンゲージメントの低迷を放置すると、離職率が高まる可能性もあります。これは、人材確保が困難な現代において、企業経営に深刻な問題となります。実際、私が経営するIT企業では、かつて組織改革の失敗により、エンゲージメントが急降下し、離職率が上昇、採用教育の費用対効果が大幅に悪化し、サービス品質の低下による顧客の信用危機に陥った経験があります。

加えてエンゲージメントの低迷は、株主などへの開示義務の観点からも問題となります。資金調達や採用面に大きな影響を及ぼす可能性があるのです。つまり従業員エンゲージメントを高めることは、企業の持続的な成長と競争力向上に不可欠ということです。

まずは不満要素の把握を

では、どのようにして従業員エンゲージメントを高めればいいのでしょうか。具体的な戦略として、図1のように「不満足の解消」「成長の促進」「企業理念の浸透」の3つの大局的な施策を取り入れることが効果的です。

図1 従業員エンゲージメントを高める3つのステップ

STEP1にあるように、まずは不満足の要因を改善しましょう。それには、フレデリック・ハーズバーグの「動機付け・衛生理論(二要因理論)」が参考になります。図2の「不満足を招いた要因」にあるように、特に「会社の方針と管理」については、経営トップが明確に説明する機会を社内で積極的に設けていくことが重要です。評価制度やルールなどを構築・改定した背景や意義について従業員に分かりやすく解説することで、大きな不満を解消する一歩になります。

フレデリック・ハーズバーグの「二要因理論」

仕事の不満足を招いた要因(衛生要因)

● 会社の方針と管理
● 監督
● 対人関係
● 労働条件
● 給与 など

仕事の満足を招いた要因(動機付け要因)

● 仕事の達成
● 達成の承認
● 仕事そのもの
● 責任
● 昇進 など

図2 満足と不満足の要因

参照「モチベーションとは何か」フレデリック・ハーズバーグ(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー)

なお、会社の方針を発信するにあたっては、企業理念とセットでミッション・ビジョン・バリュー(MVV)も定めたいところです。MVVは...

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新たな挑戦やイノベーションを創出し続ける組織づくりに向け、「人」への投資に注目が集まっています。それに伴い重要性が増しているのが、「社内コミュニケーション」です。従業員のエンゲージメント向上、健康維持、リスキリング、多様性の推進など、企業が目指す方向性や重視する価値観、そして働く環境に関する新たな制度について、広報担当者は分かりやすく発信し、従業員が自発的に行動したくなるよう促していくことが期待されています。ただし組織にとっては重要なメッセージでも、働く一人ひとりにとって「自分ごと」にできるとは限りません。「読まれない」「伝わらない」「関心を持ってもらえない」を解消するための考え方や手法、さらには広報の業務効率化・アイデア拡散をするための生成AIの活用についてもレポートします。