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「いい加減」で働くとは? — 仕事と私の関係は変化する

  • 田中朋弘(熊本大学)

危機対応をはじめ、高い倫理観が求められる広報部門。時に内向きな組織の姿勢を牽制することもあります。倫理的に望ましい判断をどのように導けばいいのでしょうか。

スタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』の中で、主人公の千尋が、湯婆婆と呼ばれる湯屋の主人に仕事をさせてほしいと頼むシーンがあります。湯婆婆は、どうしてお前を雇わなくてはいけないのかと言いながらも、そういう決まりだからと仕方なく千尋を雇うことになります。

私にはこの映画の中でも、とりわけこのシーンが印象に残っています。それは、雇ってほしいという側にも、雇う側にも、それぞれの事情や理由があるという当たり前の事実が、このシーンに端的に表れているからだと思います。またいずれにしてもこのシーンでは、働くことが、世界で自分の居場所を確保するための活動として、肯定的に捉えられているように思います。

働くことへの両極端な態度

他方ネット上では「働いたら負け」というフレーズを時々目にします。時に冗談めかして語られるこうしたフレーズの意味を正確に位置づけることは難しいですが、少なくとも働くことに関するこのネガティブなイメージにも、一定の共感を呼ぶところがありそうです。

こうしたイメージには、働くことには自分のしたくないことをしなければならないということが含まれるという考えや、組織の歯車となって自分を失ってしまうという恐怖などが含まれているでしょう。そのような意味では、多くの人たちが、できれば働かずに生きていきたいと思うような...

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