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企業の芸術文化支援は、してもしなくてもよいことか

公開日:2023年3月27日

  • 田中朋弘(熊本大学)

危機対応をはじめ、高い倫理観が求められる広報部門。ときに内向きな組織の姿勢を牽制することもあります。倫理的に望ましい判断をどのように導けばいいのでしょうか。

企業によるフィランソロピー(社会貢献活動)の一つに、芸術文化支援(メセナ活動)があります。たとえば、音楽や文学、演劇やスポーツなどに関する行事を支援したり、各種文化施設を運営したりする企業もあることはよく知られています。

近年では、こうした社会貢献活動が企業の社会的責任(CSR)に含まれるという考えが広がっています。ビジネス組織は、集団的な意思決定を行い、それに基づいて製品やサービスを社会に提供し、その結果は現実の社会に反映されています。それゆえ企業は、その組織に固有の考え方や行動様式を持っている存在であり、人間と同じように一定の性格を持つ存在だと見なされています。

してもしなくてもよいこと

倫理が、誰かに危害を加えてはならないとか、誰かを騙してはいけないとかいうような「してはならないこと」だけを決めていると考えるなら、人や組織がなすべきことは、「してはならないこと」をしないことだけです。そしてそれ以外は「してもしなくてもよいこと」であると考えられます。他方で、倫理とは、「してはならないこと」をしないことだけにとどまらず、誰かがしてほしいと思っていることをすることでもあると考えるなら、誰かのニーズに応えることは倫理的義務に含まれることになるでしょう。

私たちの多くは普段、倫理とはまず...

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