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結果が同じなら、手続きはどれでも同じか?

公開日:2022年12月26日

  • 田中朋弘(熊本大学)

危機対応をはじめ、高い倫理観が求められる広報部門。ときに内向きな組織の姿勢を牽制することもあります。倫理的に望ましい判断をどのように導けばいいのか。事例をもとに考えます。

「決まった手続きを守ることは大事だ」ということは、誰でも分かっているはずのことです。しかし現実には「手続きを厳密に守ると結果が出にくい」ということもありえます。そうするとむしろ逆に、「結果が同じなら、手続きはどれでも同じ」という考え方になるかもしれません。このように私たちは、行為の手続きと結果という対立図式によって、しばしば悩まされます。

たとえば、2021年6月に発覚した三菱電機による鉄道車両の空調設備等に関する検査データ不正は、その範囲が組織全体に及び、大きな社会問題となりました。不正の内容は多岐にわたりますが、これらの不正の多くに共通する考え方──実質的な製品の品質に影響はないと考え、虚偽の報告を行ったという不正──は、まさに前述の対立図式になっています。

*「当社における品質不適切行為に関する原因究明及び再発防止等について(総括)」(三菱電機、2022年10月20日)

倫理的判断と理由の重要性

私たちはある人や組織が行った行為を、「正しい」とか「不正」であるとか、「善い」とか「悪い」とか評価して、相手を称賛することでそれを促進したり、非難して止めさせようとしたりします。

そしてそうした判断が皆でいつも一致していればよいのですが、現実には...

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