2030年に向け活発化するSDGsの取り組み。実践には“未来”の姿を描くことが不可欠。本コーナーでは多様なフィールドで活躍する人たちと共に、理想の未来を考えていきます。

井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。2015年「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」特別賞を受賞し、芸能界入り。バラエティ番組『おはスタ』(水曜日)のレギュラーを担当。
昆虫食や手づくり化粧水など、GFP(Good For the Planet)な生活をInstagram、YouTubeなどのSNSで発信している井上咲楽さん。その取り組みの背景には、栃木の実家での自身の幼少期の体験がベースになっているという。
実家での暮らしの中にSDGsがあった
──井上さんがSDGsを知ったきっかけはなんでしたか。
最近、テレビ番組の企画の中でも「SDGs」という言葉がよく出てきて、そこで初めて知りました。2019年には「SDGs LINEスタンプコンテスト」で審査員をやらせていただくことになり、それを契機にしっかりと勉強しはじめましたね。学んでいくと、今まで何気なく発信してた実家の暮らしが、SDGsの取り組みにもなっているのだと気づかされました。前から取り組んでいたことが、SDGsが浸透するにつれ、自分の中での再発見になったという感じですかね。
──ご実家ではどのような取り組みをされていたのでしょうか。
「使い捨てをする」ということがあまりない家でした。カイロひとつとっても、使い捨てカイロは使ったことがなかったですね。実家が薪ストーブで暖をとる家だったので、朝起きたら大きい石とかを持ってきてそれをストーブの中に入れて⋯⋯。家を出る直前に新聞紙に包んでカイロ代わりにしていました。「ゴミ」をなるべく減らすことにも取り組んでいましたね。私の家は6人家族だったので、意識せずに捨てると、ゴミ処理のコストがすごくかかってしまうんです。
生ゴミはコンポストに入れて堆肥にしたり、牛乳パックも、魚をさばくためのまな板代わりにしてから、捨てる。あと、着られなくなった服は、油やカレーをふき取るために使っていました。そのまま流すのは環境にも良くないですし、何より実家が山の上にあったので、下水が汚れてしまうと掃除などでまたお金もかかってしまう。こういう自分たちのプラスになっていたことが、大きなところで地球のためにもつながっているような感覚でしたね。
──幼少期から当たり前になっていたエコな活動が、今のご自身の暮らしの中にも取り込まれているんですね。「#丁寧な暮らし」と、SNSでその取り組みを紹介されたりもしていますよね。
私も、化粧水を卵の殻からつくったり、生ゴミも水分を切ってからゴミ箱に入れるなど、本当身近なところからですけど、取り組んでいます。丁寧な暮らしを意識していますが、時間をかけることが、イコール丁寧な暮らしとは思ってないので、その人の楽しい暮らしをするのが一番だと思います。私は...