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SDGsへの厳しい見方に耳を傾ける──流行で終わらせない緊張関係

公開日:2021年7月26日

  • 飯田 豊(立命館大学)

広報活動には、様々なメディアが積極的に活用されています。メディア史の観点から考察すると、どのような期待のもと、メディア利用がなされているのか、その本質が見えてきます。

SDGsに向けた取り組みは、大学でも盛んに行われています。イギリスの教育専門誌Times Higher Education(THE)は2019年から、SDGsに関連する各大学の研究活動や社会貢献の成果を評価する「THEインパクトランキング」を公表しています。各大学がそれぞれの強みを活かせる目標(ゴール)を選んでエントリーできる仕組みで、総合評価に加え、17の目標別ランキングも公表しています。

今年は世界各国1240校がランキングの対象になったようです。こうしてSDGsが大学の格付けを左右する時代になったわけですから、各大学は俄然、広報にも力を入れるようになりました。

ちなみに、筆者のゼミではSDGsについて正面から扱ったことはありませんが、それでも近年、フードロスやリサイクル市場に関する調査研究、「エシカル」や「サステナブル」の潮流に焦点をあてたファッション研究などに取り組む学生が増え、その理念は若年層の間で広く浸透しているという印象を抱いています。

SDGsへの批判に目を向ける

とはいえ、こうした潮流を手放しで礼賛するわけにもいきません。例えば、斎藤幸平氏(大阪市立大学准教授)は『人新世の「資本論」』(集英社新書、2020年)の序文で、SDGsを痛烈に批判しています。というのも、われわれ一人ひとりが環境に配慮した消費行動を行い、各国政府や大企業がSDGsの行動指針をいくつかなぞったところで、地球全体の気候変動を止めることはできず、良心の呵責から逃れる「免罪符」や「アリバイ作り」にしかならない...

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